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6年生の今月の本


太陽ときみの声 タイトル 太陽ときみの声
著者 川端 裕人
出版社 朝日学生新聞社
 

 高校2年の光瀬一輝(みつせいっき)は、3年生が引退したこの秋からサッカー部のキャプテンを任された。新チームが始動してまもなく、一輝は目に違和感を覚えた、はれているのは右目。しかし、お医者さんの表情が変わったのは左目を診察したときだった。一輝も「自分の目」を疑った。
(何、これ?ぼやけてる。一番上のひらがなも、欠けた輪っかも、さっぱりわからない!)
「すぐに大きい病院へ」と先生は言い、その日のうちに大学病院を受診することになった。「きょう診た限りでは視神経の機能が落ちています。しばらく様子をみましょう」
 その夜、一輝はなかなか眠れなかった。家に帰ってすぐに、高校生くらいの若者の目が急に悪くなる病気をネットでいろいろ調べ始めたら、どんどん不安になってしまった。中でも、片眼から症状が出るという遺伝性の病気は、一輝の現状とよく似ていてドキッとした。最終的には両眼とも視力が落ちて、失明に至ることもあるという。読みながら動悸が激しくなり、それと一緒に心に根付いた不安がさらに膨らんでいった。

●主人公の一輝は、サッカーが上手く、明るい性格でクラスの人気ものです。しかしある日突然、視力が落ち、生活が大きく変わります。物語では、一輝が自分の「障がい」への戸惑いや、思うようにできないいら立ちがまっすぐに伝わってきます。この後、ブラインドサッカーとの出会いや、特別支援学校への見学など、これまで知らなかったことを知り、またこれまでどおり支えてくれる家族や仲間たちによって、一輝は“自分の居場所”を見つけていきます。“見える”“見えない”といったことを超えて、生きていく上で大切にしたいことを教えてくれる物語です。

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