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6年生の今月の本


よりみち3人修学旅行 タイトル よりみち3人修学旅行
著者 市川 朔久子(作)
出版社 講談社
 

同じクラスの高峰柊から「相談がある」と言って呼びだされたのは、春休みに入ってすぐのころだった。いや、正確に言うと柊とは同じクラスだった。卒業式はこの二日前に終わったばかりだ。中学の入学式までいつもより長めの春休みをのんびり過ごしているところに、携帯に連絡があったのだった。
<ちょっと相談したいんだけど 春休みのこと 風知も来る 一時に公園 いい?>
なんだろう。小林風知。レアキャラ並みに見かけないクラスメート。こいつも来るって言ってたけど、いったいなんだろう。おれは急いでアルバムを閉じ、リュックをつかみとるとばたばたと家を出た。

 

公園に着くと柊が手を振ってきた。しばらくすると、「柊ー、天馬ー、遅れてごめーん。」パタパタと小林風知が走ってきた。「あのさ、ふたりにお願いなんだけど」そこでちょっと口調を改める。
「――ぼくといっしょに、旅行に行ってくれませんか」

●中学にあがる前の春休み、天馬と柊は風知のお願いによって、小林風知のお父さんに会いにいくことになります。それは、単なる目的地への旅ではなく、お父さんから出された「課題」をクリアしながら向かう旅です。この「課題」がこのお話のポイントです。「課題」によってつながる人のあたたかさを感じる一方で、お父さんが息子に課題を出す理由をしると、悔しくて悲しい思いになるかもしれません。
 単純な楽しい旅の物語ではありません。大人の嫌なところ、汚いところ、そんな一面にも触れながらこれからを生きていく心構えを教えてくれるお話です。

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