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6年生の今月の本


星の牧場 タイトル 星の牧場
著者 庄野 英二
出版社 理論社
 

 牧場で働く青年、イシザワ・モミイチは、戦争のとき船でインドシナ半島に行った。けれども、戦争からかえってきたとき、モミイチの頭はなにもかも忘れていた。「記憶喪失症」というのだそうだ。彼がはっきりおぼえているのは、インドシナにいた数ヶ月間のことだけである。

  それから、ときどきモミイチの耳には、馬の蹄(ひづめ)の音が聞こえてくる。彼は、それが戦争のとき一緒に連れていったツキスミの走る音だと信じている。あるとき山へでかけたモミイチは、そこで今までになくはっきりと蹄の音を聞いた。ツキスミの蹄の音だ。それだけではない。大砲の音もラッパの音も聞こえてくるのだ。音をたどって行った先は花畑だった。そこでモミイチは不思議な音楽団に出会う。

【 決していえることのない傷をかかえながら、愛馬を思うモミイチの姿がいつまでも心に残るお話です。山の自然や星の美しさ、音楽を通じた心のふれあいが幻想的に描かれています。】

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