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6年生の今月の本


つめたいよるに タイトル つめたいよるに
著者 江國 香織
出版社 新潮文庫
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 この『つめたいよるに』という本には、短いお話がたくさんはいっています。そのなかでも、ここでは『草之丞(くさのじょう)の話』という作品を紹介します。

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 お母さんは女優で、お父さんがいない主人公の僕。七月のよく晴れた日曜日午後、僕はおふくろ(お母さん)からとつぜん、父親を紹介される。名前は草之丞。草之丞は正真正銘のさむらいで、そのうえ正真正銘の幽霊。おふくろがまだ新米女優だったとき、あの世で見物していた草之丞がひとめぼれして下界にやってきたのだ。二人はめでたく恋におち、僕が生まれたというわけらしい。

「それからの十三年間、草之丞さんはいつだって私をたすけて下さったのよ」
「たすけるってどうやって」
「いろいろな相談にのってくださるし、眠れない夜には子守(こもり)唄(うた)もうたってくださるし、お金にこまったら、お金も貸してくださるわ」
「幽霊が、金を」
「ええ、たいせつな刀やお皿を売ってね」
「……」

それから、僕とおふくろと草之丞の奇妙な生活がはじまった。

【 幽霊がお父さんだなんて かなり変なお話ですが、平成15年度の広島工業大学附属中学校(現なぎさ中学校)の入試の素材文として使われました。
  あっという間に読める文章ですが、読み終わった後、すこし悲しい気持ちになるお話です。】

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