当面は「いかに取り組むか」を大切に!

2021 年 3 月 15 日

 早いもので、2021年度の前期講座が開講して2週間が経過し、13日(土)には最初のマナビーテストが実施されました。お子さんから手応えを得た様子が感じられたでしょうか。

 マナビーテストは、2週間を一括りに設定された学習範囲について、取り組みの成果を各学年の会員児童が全員で競い合うイベントです。単なるまとめのテストや確認テストといった意味合いで捉えるのではなく、「たくさんの塾生のなかで、自分がどれだけの力を発揮できるかを試すのだ!」という意気込みをもって挑戦することが重要です。それが高い次元の学力へと到達するために欠かせないポイントです。テスト結果をお知らせする資料に優秀者の氏名を掲載しているのはそのためです。つまり、子どもたちはこのテストを励みにしながら互いに切磋琢磨して学力を伸ばしていくわけです。これが家庭学習研究社の提供する‟子どもを伸ばす”学習環境です。

 ただぼんやりと授業を受け、家庭で勉強し、何となく2週目の終わりにテストを受けるのではなく、上述のように積極的な気持ちでテストに挑んでいけば、1年もすれば大変な変化が約束されます。「次はもっと!」という張り詰めた思いが、子どもを短期間のうちに驚くほど成長させるのです。新4年生や5年生にとって、受験はまだまだ自分のこととして受けとめるには無理があります。「中高一貫校とは、受験とはどういうものか」についてよくわかっていない段階においては、「合格をめざしてがんばれ!」と激励してもさほど効果はありません。ですから、もっと身近なわかり易い発奮材料や目標を子どもに与えてやる必要があります。それがマナビーテストという制度なんですね。

  このように、基礎力養成期(4年部前期~6年部前期4月末)に実施するマナビーテストは、まだ受験への目的意識が定まらない子どもたちに、明確で具体的な目標を提供するためにあるのだといってもよいでしょう。無論、個々が設定すべき目標はそれぞれに違っていてよいのです。どのお子さんも「テストを受けるからには1番を取りたい!」という気持ちがもっているでしょうが、この目標を達成して満足を得られるのはたった一人に過ぎません。まずは前期開始後の1~2回のマナビーテストの結果をもとに、当面の目標、たとえば「平均点以上をめざす」「〇番以内に入るのをめざす」「ミスをとにかく減らす」など、現在の状態や課題に沿った実現可能な目標を設定し、その達成に向けてがんばっていただきたいですね。

 さて、ここからが今回筆者が会員保護者の方々にお伝えしたい事柄です。塾で授業を受け、家庭学習に取り組んだ成果を競い合うのがマナビーテストですが、「どのように授業を受けているか」「どのように家庭学習を行っているか」によって、結果は随分違ってきます。望ましい学習の態勢を築かずに十分な成果を得ることはできません。そこで弊社は、開講後しばらくの間は「授業の受けかた」や「家庭学習の進めかた」など、家庭学習研究社での受験学習の基本となる要素を子どもたちが理解し、日々の学習にとり入れていくことに指導の焦点を当ててまいります。そうして、学びの態勢が整ったなら、冒頭でお伝えしたような、高い意気込みを背景にマナビーテストに挑戦する受験生活へと自然と移行していけるのだとお考えください。

 ときどきみられるケースですが、開講後1~2回のお子さんのテスト成績にショックを受けられる保護者がおられます。これは親子共々「授業」と「家庭学習」の役割や連動性を理解しておられず、実のある勉強ができていなかったり、空回りの勉強になっていたりした結果です。そのことに気づかず、「うちの子はできないんだ」と思い込まれる保護者もおられます。

 弊社の授業は、それぞれの学習単元で最も基本となる大切な理屈をみんなで一緒に考えながら理解へと漕ぎつけることを念頭において実施しています。ですから、授業ではたくさんの問題に取り組むわけではありません。授業で大切な基本を丁寧に学んだあと、家庭ではテキストの基本問題をおさらい(復習)し、練習問題や発展問題に取り組んで質と量のバランスをとる必要があります。このような連動性のある勉強をすることで学力をつけていく仕組みになっています。

 また、計算技能の習熟や漢字のマスターなどは、授業で扱わなくても家庭でやれることですから、家庭学習用の副教材に組み入れています。ご存知かと思いますが、この副教材の学習に励みを与えるため、一定数をマナビーテストに出題しています。家庭学習の計画に副教材の学習を入れ、しっかり取り組んでおられるでしょうか。これをやっていればテストの成績に加算されるよう配慮しています。やればやっただけ成績に反映されますから、「やらねば損」ですよね。また、やるのを当たり前にすることで、自然と基礎となる必須事項が備わっていきます。

 以上お伝えしたことを大ざっぱではありますがまとめておきます。開講後しばらくの間は、次の点をしっかりと押さえた学習をしていただくようお願いいたします。

 妥当な学習計画がどのようなものか、4~5年生のお子さんが判断するのは難しいと思います。そこで、親子で一緒に考え、無理のない計画を立てていただくようお願いしています。開講して2週間余りが経ちましたが、すでに計画に問題が生じているかもしれません。その場合、これから少しずつ微調整しながら実行できる無理のない学習計画にしていただければと思います。

 4年部生の場合、お子さんがテキストの問題に取り組んだあと、保護者に〇つけをお願いしています。「○つけぐらい自分でできるだろう」と思われるかもしれませんが、子どもは漢字に一本線が足りなくても、「似ているから〇だ」などと判断しがちです。できるだけ保護者がチェックし、不十分な点をやり直すよう促していただければありがたいです。

 なかには、熱心に算数の問題の解きかたを研究される保護者もおられます。ですが、保護者には全部を教えてしまうのではなく、考えかたの切り口に気づかせるヒントを与える程度に留めていただくようお願いします。また、その場合にも授業日ごとに配布する「解答と解説」をよくお読みいただき、小学生の段階の望ましい考えかたで解決する力を身につけるようご配慮ください。方程式や公式ではなく、理詰めで解き明かしていく醍醐味を味わえるのが算数の魅力であり、それを繰り返し体験することで将来学力の花を咲かせていくうえで欠かせない頭脳が育成されていきます。ご理解ご協力のほど、よろしくお願いします。

 決めたことを実行に移すのは大人でも難しいものです。ですが、日課として定めた学習に取り組む習慣が定着すると、やがて「やらずにはいられない」という状態になっていきます。そこまでいけば、受験での成功は間違いありません。逆に言えば、そうなるまでが大変であり、保護者にとっても苦労が多いわけです。大変ですが、保護者にいちばんがんばっていただきたいフォローはこれに尽きるといってよいでしょう。子どもは、遊びが尾を引いて時間になっても机に向かわないことがよくあります。そんなときは軽く声をかけて促すなど、さりげなくお子さんを見守りながら粘り強くフォローをしていただけるとありがたいです。

 無論、受験勉強に関わる重要なことは授業日に少しずつお子さんにお伝えしています。しかしながら、お子さんが家庭で実行されなければ成果につながりません。「わが子はやるべきことがわかっているか、やるべきことをしているか」という視点に立った、保護者の見守りやフォローもお子さんの受験生活を軌道に乗せるうえで非常に大切なものだとご理解いただき、お子さんの受験生活が少しずつ軌道に乗るよう応援してあげてください。

 まずは、お子さんが自発的に机に向かって勉強に取り組む、生き生きとした受験生活を実現しましょう!

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2021年度 弊社会員の中学入試合格実績と進路選択状況

2021 年 3 月 5 日

 今回は、2021年度中学入試における弊社会員受験生の合格状況と、進路選択の様子をご報告しようと思います(わずかですが、進路の確定が済んでいない受験生もいます)。

 今年の受験生は、コロナパンデミックのさなかで受験生活を送るという不運に見舞われました。塾での授業が休止状態になったり、慣れないオンライン授業を活用したりするなど、予想もしない事態に至ったわけですが、受験生のみなさんは予期せぬ困難を乗り越えて、最後までほんとうによくがんばり抜きました。何はさておいても、そのことを褒め称えたいと思います。コロナウィルスの恐怖にさらされながら受験を体験したことは、一生忘れられない体験になったことでしょう。

 広島の中学入試を概観すると、志願者数は今年も例年に引き続き横ばいもしくは若干減少気味でした。そんななか、減少が目についた学校もありました。県立広島中学校や広島中等教育学校などは、開校以来安定した人気を維持していますが、今年は交通手段や通学距離などの問題等から受験を控えた受験生もあったのではないかと思います。前者は広島市域からの受験生がかなり減っていました。また後者は、通学の手段がバスに限られるなどの点が影響したのではないかと考えられます。いっぽう、なかには大幅に志願者を増やした学校もありました。崇徳中学校は共学化が功を奏したのか、志願者が大幅に増加し、合格を得られなかった受験生も相当数あったようです。

 弊社は、50年余り前の創設以来、広島の最高峰の私学進学をめざす受験生の夢を実現することを主目的に活動してきました。それは現在も変わっていません。別表の実績を見ていただいてもおわかりいただけると思いますが、広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院の合格者、進学者が多いのはそのためです。今年は弊社から、この4校に232名が進学します。弊社は、実際の進学者数を塾評価の重要な指標の一つと認識しており、そこにこだわりをもっています。そういう理由もあり、合格者数とともに進学者数も公表しています。また、受験校の選択に関して塾の側から家庭に介入することは一切せず、「行きたい中学校への受験と進学を支援する」というスタンスを基本としています。

 それゆえ、入学者選抜の形態の異なる公立一貫校への進学をめざす受験生には、その希望がかなえられるよう可能な範囲でサポートを行っています。また、歴史と伝統のある広島大学附属中学校は、弊社会員にも高い人気があります。以下でご紹介する合格実績、進学実績は、こうした弊社の活動の現状を示す参考資料としてご確認いただければ幸いです。

 上記の中学校以外では、AICJ中学校(私・共)に25名が合格し3名が進学、広島国際学院中学校(私・共)に14名が合格し4名が進学、修道大学ひろしま協創中学校(私・共)に12名が合格し4名が進学、崇徳中学校(私・共)に4名が合格し1名が進学、武田中学校(私・共)に3名が合格し2名が進学、比治山女子中学校(私・女)に21名が合格し5名が進学、山陽女学園中学校(私・女)に2名が合格し1名が進学します(ここではご紹介しませんが、県外の私立中学校受験者も若干名おられます)。

 さて、つぎは国・公立の中高一貫校の入試結果と進路選択状況をご報告しましょう。

 上記以外では、広島大学附属福山中学校に1名が合格し進学します。また、中高一貫ではありませんが、広島大学附属東雲中学校に7名(男4・女3)が合格し6名(男3・女3)が進学します。

 広島大学附属中学校の入試結果ですが、通年は女子よりも男子のほうがだいぶ合格者が多いのですが、今年は女子のほうが多かったことが注目されます。女子のほうが少なくなる理由は、合格者の入学手続き率が高い(男子は共学志向があまりなく、女子は共学志向が強い)女子の場合、合格発表数が絞り込まれているからでしょう。そんななか、今年女子のほうがたくさん合格しているのは、今年の弊社の女子受験生の学力上位層のレベルが高かったからかもしれません。ちなみに、今年の附属の合格発表数は、男子外部生90名、女子外部生50名でした。附属内部受験生の合格者数は、男子14名、女子15名でした。弊社の外部合格者は、男子19名、女子23名で、内部合格者は、男子3名、女子2名でした。

 県立広島中学校の入試結果で注目したのは、男子の合格者の入学手続き率が上昇し、14名の合格者のうち11名が進学先として選んでいることでしょうか。以前は見られなかった傾向です。女子には開学当初から人気が高く、第一志望にする受験生の比率が高いため、今年も24名の合格者のうち19名が同校に進学する模様です。男女合わせると合格者の8割近くが入学する予定で、今やすっかり最人気校の一つとなったといっても過言ではありません。なお、同校合格者で他校にを進路として選択した受験生は、男子が広島大学附属1名、広島学院が2名でした。女子は広島大学附属が1名、ノートルダム清心が2名、広島中等教育学校が2名でした。

 市立広島中等教育学校は、徐々に受験生家庭の認知度を上げつつありますが、以前もお伝えしたように安佐北区の山間部の団地脇にあり、受検者が通学可能な地区に限定される点で、県立広島のようなポピュラリティを獲得するまでに至っていません。弊社でも、受検するのは三篠校と広島校、己斐校の受験生にほぼ限定されています。また、男子の場合、修道との重複合格者が多く、そこでも交通の便が選択上のハンディとなっているように思います。ですが、学校として魅力を感じる家庭が多く、今後もっと人気が高まる可能性も感じます。

 全体的にみると、今年の弊社会員受験生の入試結果は例年の傾向に沿ったもので、堅調に収まったと思います。合格者の進路選択についてときどき受ける質問についてここで触れておきましょう。広島学院中学校と広島大学附属中学校は、男子受験生にとって難関として双璧の存在です。ですが、弊社会員は伝統的に広島学院と附属の両方に受かったとき、広島学院を進路に選択するケースが多い傾向があります。昨年はその割合に変化があり、附属を選ぶ受験生の比率が高くなりました。しかし、今年は例年に近い状態に戻ったようです。今年の附属と学院の重複合格者は19名で、そのうち6名が附属に、11名が学院に進学する模様です。あとの2名ですが、県立広島と広島なぎさに各1名が進学するという報告を受けています。

 コロナウィルスの感染拡大はまだまだ収まったとは言えません。弊社も対策としてオンライン講座の受講生を募ったりしていますが、小学生がオンラインを活用して受験勉強をするのは簡単ではなく、しっかりとしたフォローの態勢も整える必要があります。通学者に関しては、これまで通り感染のリスクを避けるべく十分に配慮して授業および指導を行ってまいります。受験生の子どもたちにとっては不便かつ不自由な形態での受験対策を余儀なくされるわけですが、目標をしっかりと見定め、強い気持ちで勉強に取り組んでいただきたいと思います。

 今年も広島の受験生のために精一杯指導に取り組んでまいる所存です。保護者の方々におかれましては、変わらぬご理解とご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

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2021年度講座がまもなく開講! ~新年度会員のご家庭へ~

2021 年 2 月 24 日

 2021年度の中学入試が終わり、そしてほとんどの受験生の進路も決まりました(もうしばらくしたら集計結果の確認を終え、おおよその状況を本ブログにてご報告します)。そこで、これまでの受験生活の締めくくりと、入試までともに学んできたクラスの仲間とのお別れの意味を込め、2月20日の土曜日に弊社の各校舎で「卒業会」が行われました。

 塾と言えば勉強をしに行くところですが、この日ばかりは勉強は一切せず、これまでの苦しくも充実していた受験勉強の日々を共に振り返り、そして新たに始まる中学校生活に向けた意気込みを語り合い、あるいは勉強とは関係のない話に花を咲かせたり、一緒にビンゴゲームに興じたりするなど、和気あいあいの時間をみんなで共有しました。

 受験を終え塾への通学がなくなると、なかには心のなかにぽっかりと穴が開いたような虚脱感を感じるお子さんもおられるようです。それは、長期間にわたって受験勉強に一生懸命取り組み、もてるエネルギーを全力で投入したからこそのことだと思います。当面の大きな目標を達成した直後であり、受験中心の生活サイクルが急変したわけですから、脱力感や戸惑いが生じるのは当然のことでしょう。しばらくは体も気持ちもいたわりながら英気を養い、残り少ない小学校生活を楽しみ充実させていただきたいですね。受験生のみなさん、ほんとうにお疲れさまでした。

 さて、卒業生を送り出したら、すぐさま新年度の前期講座が開講します。2月27日(土)には、弊社の全校舎で開講式(オリエンテーション)が行われることになっています。今年受験した先輩たちは、男子も女子も大変優秀な結果を残しました。来年度の受験生のみなさんも、それぞれの合格目標達成に向けて、悔いの残らぬ取り組みを実現していただきたいですね。

 既にこのブログで何度もお伝えしていますが、中学受験は受験生のお子さんだけでなく、家庭で学びの環境を整えバックアップされる保護者の方々も、受験合格を得るうえで非常に大きな役割を担っておられます。塾での勉強は学習塾が責任をもってフォローしていきますが、塾でお子さんが学ぶ時間よりも家庭で勉強に取り組む時間はそれよりもずっと長いものです。しかも、勉強することだけを目的とする学習塾での時間と比べ、家庭では生活に欠かせない勉強以外の要素が様々に存在しており、勉強の時間をどう割り振りするかという自律性や自己管理の姿勢、他の誘惑に負けずに受験勉強に集中する意志の強さも求められます。そしてそれは毎日のことです。それだけに、1年間の学びの繰り返しと継続状態によって、受験生個々の学力状態は大きく違ってきます。

 しかも、受験生はまだほとんど親がかりの段階にあり、自分でやるべきことの割り振りや、取り組むべきことの優先順位の判断、学習の進捗状況を管理する力も大人のレベルに至っていません。したがって、お子さんの生活や勉強の様子を見守り、必要に応じたバックアップを保護者がする必要があります。そのことなしに、お子さんがきちんとした受験生活を送るのは難しいと言わざるを得ません。各ご家庭におかれては、お子さんについての教育方針をおもちだと思いますが、新年度の講座の開始直前のこの時期、そこに中学受験生であるという要素を加味し、再度方針の練り直しが必要かどうかをお考えいただけたなら幸いです。

 「少し押しつけがましいかな」という思いもありますが、敢えてこのようなことをお伝えしたのは、「小学校の中~高学年期は、人間としての立ち居振る舞いや生きかたの基本ができあがる」という、まっとうな大人に成長していくための重要な節目に当たる時期だからです。どんな生活のもとで、どんな勉強をどのようにするか、そして、保護者がどのような方針でバックアップされるかによって、お子さんの「人としての特徴」が定まるのです。それは、中学入試の結果よりも重要なことではないでしょうか。

 親にとっても中学受験の準備期間にあたるこの時期は、子どもの様々な面に直接関われる最後のチャンスです。ご存知のように、お子さんは中学校に進学するとまもなく‟思春期”を迎えます。思春期は、俗に‟親殺し”の時期と言われ、目の前の大人すなわち親に対して反抗し対立することで大人に近づいていきます。この段階に至ると、もはや親は子どもを思い通りにはできなくなってしまいます。だからこそ、受験までのプロセスを子育ての仕上げの場と位置づけ、積極的に関わる必要があるのではないでしょうか。

 望ましい受験の態勢は一朝一夕には築けません。毎日のたゆまぬ努力の繰り返しで徐々に形成されていきます。それを通してお子さんも成長し、人間としての考えかたや生きかたも形成されていきます。そこが中学受験のすばらしいところだと思います。その過程で親はどう関わるか。そこが重要なところです。

「子どもの適性や将来進むべき方向性を見極める」ということは、家庭教育の重要な役割の一つです。ただし、それは子どもが真剣に、そして長期間にわたって勉強に取り組まなければわからないことです。その意味において、中学受験準備のための学習生活は子どもの適性や方向性を浮き彫りにしてくれる絶好の媒介だと言えるでしょう。また子ども自身も、勉強の何に手ごたえを感じるか、面白さを見出すかで、自然と将来の進路決定の土台を築いていきます。

 そういったことを含めて、これからの1年間の受験生活をどのようなものにすべきかを考えてみてはいかがでしょうか。また、その結果定めた方針をお子さんに伝え、大きな期待を込めて激励してあげていただきたいですね。そして、「決めたことを強い意志でやり抜こう!」を合言葉に、新年度講座へと送り出してあげてください。

 わが子をかわいいと思わない親はいません。ですが、それが甘えや依存性を助長することになってしまうと、子どもは言い訳がましいことを言っては厳しい受験勉強から逃げてしまい、いつまでも自立できません。また、「受験の結果を得させてやりたい」という親心が過ぎると、過度に勉強に関わったり、勉強を強要し過ぎることになりがちで、これも‟学びの自律性”という、将来の飛躍に向けた推進力を失ってしまいます。「わが子の勉強にどう関わるか」は、親にとって悩ましい問題ですが、この問題をクリアすることなしによい結果は得られないものです。

 なお、家庭での学習成果は、「どんな学習計画に基づいて勉強に取り組むか」によって随分変わってきます。2月27日の開講式(オリエンテーション)で配布する「学習計画表」にモデルプランを添付しておりますので、それを参考に現時点で妥当なプランを練っていただくようお願いいたします。無論、親が押しつけたプランにならないよう、お子さんの考えを反映させることもお忘れなく。「これは自分で立てた計画だ」という意識がお子さんにあると、それが実行力を大きく後押ししてくれるからです。

 妥当な学習プランの設計は、親に求められるサポートとして最初の仕事と言えるでしょう。お子さんの考えや要求などにも耳を傾け、実行可能で成果につながる学習計画づくりに向けてサポートをよろしくお願いいたします。

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受験対策のための‟塾通い”はいつからがよい?

2021 年 2 月 15 日

 中学受験のシーズンが終わりました。受験生のみなさんは長い受験生活から解放され、久々に受験勉強も塾通いもないゆったりとした毎日を過ごしておられることでしょう。いっぽう、学習塾も一息つきたいところですが、新年度の講座の開講が控えています。弊社では2月27日の土曜日にオリエンテーション(開講式)を実施し、翌週の月曜から授業を開始する予定です。

 とは言うものの、学校を軸とした学習サイクルの年度替わりは4月です。お子さんは無論のこと、保護者におかれても受験準備の開始に向けて気持ちがまだ定まっていないケースが少なくないことでしょう。実際のところ、弊社においても入塾希望者の動きはまだまだこれからも収まるわけではなく、毎年学校の新学期開始頃まで新規会員を受け入れています。

 そこで今回は、「受験勉強をいつ始めるか(塾通いをいつから始めるか)」を検討されるご家庭に参考にしていただくための情報をお届けしようと思います。

 この話題については、すでに何度かこのブログに弊社の考えをお伝えしたと記憶しています。いちばん多いのは4年部からの入会者です。ここ1~2年の受験生の履歴を調べてみると、約65%のお子さんが4年部からの入会者です。5年部からは30%強で、6年部からはほんの僅かです。しかも、6年生から初めて塾に通い始めるお子さんは極めて少ないのが現実です。ただしゼロではありません。そして、僅か1年足らずの受験勉強で立派な結果を得るお子さんが毎年おられます。

 弊社は、最大多数のお子さんが無理なく学力を仕上げられるよう、4年部からの受験対策をお勧めしています。ただし、弊社がそうお伝えしても、ご家庭の都合やお考え、受験生のお子さんの意向もおありでしょう。また、何らかの経緯で突然受験を思い立たれるケースもあります。ですから、「2年から3年の準備期間がスタンダードである」という程度にご理解ください。

 では、4年部からの受験対策開始と、5年部からのそれとの違いはどこにあるのでしょう。

 4年部と5年部で大きく異なるのは、4年部の指導教科が算数と国語であるのに対し、5年部は理科と社会が加わり、4教科となる点です。これに伴い、通学日の授業は4年生が2時限、5年生が3時限(理科と社会は交互に学ぶ)となり、授業の終了時刻も5年部のほうが遅くなります。また、4年部では予習が不要であるのに対し、5年部では予習(年齢的な負担を考慮しています)が必要となります。

 受験勉強のスタートが1年遅れになることから、「5年部からの入会では不利があるのか?」という心配をされるかたもおありでしょう。実際のところ、さほど気にされる必要はありません。ハンディが若干あるのは、算数が先取り指導となっているため、4年部の段階で5年生の教科書範囲に進んでいるということでしょうか。ですが、あくまで教科書の水準に少し上乗せをしている程度ですから、さほど心配される必要はありません。国語については単元割がないため、カリキュラム上のハンディはありません。読み書きの基礎ができていれば全く問題はありません。理科と社会は全員が一斉に一からスタートします。

 算数の先取り指導をするのは、入試レベルの学習と教科書レベルの学習のギャップが大きいため、仕上げ指導に時間と手間がかかるからです。弊社では、6年部のGW(ゴールデンウィーク)までに小学校課程の学習を一通り終わり、そこから8カ月余りかけて入試レベルの算数力へと段階的に引き上げていきます。受験生の子どもたちにできるだけ無理をさせず、うまく学力のグレードアップに成功することが学習塾のノウハウとして重要であり、きっちりと仕上げていかねばなりません。急ぎ過ぎたり、詰め込み過ぎたり、負荷を上げすぎたりすると意図する算数学力が身につかず、難関校の入試突破は期待できなくなりますし、中高一貫のハイレベルな学習環境で数学力を伸ばすのも難しくなってしまいます。

 ともあれ、以上の説明をお読みいただいたかたは、「じゃ、4年部から入会することのメリットって何ですか?」という疑問をもたれそうですね。私たちは、もしも「4年部からでも5年部からでも入会が可能です」と保護者に言われたなら、「4年部からの入会をお勧めします」と申し上げます。それは、大まかに言うとつぎのような理由によります。

~4年部からの入会のメリット~

.入試対策の柱となる算数と国語の学力を、基礎からじっくりと
  習得していける。

.算数と国語の家庭学習を通して、学習の習慣づけや学びの態勢
  づくりに注力できる。

.子どもが取り組んだ問題の〇つけを通して、受験生らしい勉強
  への移行期にあるわが子の現状を知ることできる。

.学校と塾とのダブルスクールが本格化する前に、受験生活の
  ‟慣らし運転”ができる。

.本格的受験勉強の前に、学ぶことの楽しさに触れる経験がたっ
  ぷりとできる(最後までやり抜く力が醸成される)。

.親もゆとりをもって家庭環境を整備し、バックアップ態勢を
  築ける。

 以上のような要素は、受験学習が本格化してから生じがちな問題を解消できる点で重要な役割を果たします。お子さんが年齢相応よりもしっかりされ、基礎学力も身についておられれば、5年生からの入会でも問題ありません。保護者の方々はよくご存じかと思いますが、勉強の収穫は必ずしも時間や労力に比例しません。質が伴わない勉強では、いくら早くから塾に通っても成果は上がりません。

 もしも受験までの期間にゆとりがあり、子どもの心身の成長と歩調を合わせながら受験準備ができたなら、そのほうが安心です。この考えに沿い、環境整備や下ごしらえをしたうえで無理なく受験体制へと移行することを保護者が望まれるなら、4年部から入会いただきたいというのが弊社の考えです。

 今春からの受験勉強開始を考えておられるご家庭におかれては、今回の記事も参考にしていただき、ぜひ弊社の教室への通学(入会)をご検討いただきますようお願いいたします。

 なお、今回の記事では通学に関する詳しい情報や指導の内容については触れていません。本HPの案内や、案内書等でご確認ください。開講後(3月)も各校舎で「入会ガイダンス」という呼称の説明会を実施いたします。お迷いの場合は、この催しに参加いただき、校舎責任者の話をお聞きのうえ入会をご検討いただければ幸いです。このガイダンスの日程は、本HPにてお伝えします。

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カテゴリー: 中学受験, 入塾について, 家庭学習研究社の特徴

親子それぞれに、入試までのプロセスの振り返りを!

2021 年 2 月 8 日

 2021年度の広島県西部地区の中学入試が終わりました。弊社会員の実績は弊社ホームページで公表している通りです。今年の会員受験生のみなさんも、例年に負けず劣らず立派な結果を残しておられます。ほんとうによくがんばりましたね。

 ここ数年、広島県内の中高一貫校の受験者数は微減が続いていますが、今年の主要中学校の受験者数も概ね微減もしくは横ばいでした。ただし、県立広島中の受検者が150名以上減っているのが目に留まります。原因はよくわかりませんが、「難関で入りにくい」というイメージや評価が定着したことで、十分な対策準備のない受検生が安易に受けなくなりつつあるのかもしれません。また、これはこコロナの影響かどうかわかりませんが、弊社の三篠校や己斐校、五日市校など、広島市の中心部~西部地区の受験生の応募がとても少なかったように思います(公共の交通機関を利用しての遠距離通学のリスクを回避された?)。こうしたことも影響しているのかもしれません。

 いっぽう、国際学院中や崇徳中など、新設されて間もない中学校、共学に衣替えしたばかりの中学校はかなり受験者を増やしています。広島の中学受験生にとって、以前に増して受け皿の選択肢が増えたことは喜ばしいのではないでしょうか。これらの中学校の教育実践の様子が評判になれば、より人気も高まることでしょう。

 弊社会員の入試結果については、目立つような特筆事項は特にありません。強いて言えば、広島大学附属中を受験した女子会員の合格状況が例年よりよかったことでしょうか(25名が合格)。大半が外部(附属小以外)からの受験生でしたが、大変な倍率のなか、これだけの数の受験生が合格されたことに驚きました。また、広島学院、修道、ノートルダム清心、広島女学院は、弊社会員の受験率が大変高い人気私学ですが、どの中学校の入試結果も例年とほぼ同じくらいでした。なお、もうじきすべての中学校の入試結果が判明すると思いますので、正式な入試合格実績の公表は確認作業終了後にさせていただく予定です。よろしくお願いいたします。

 中学受験は、受験生本人だけで完結するものではありません。受験生のご家庭にとって、まさに壮大なロングランのイベントであるといっても過言ではありません。それは再三お伝えしているように、まだ子育ての終わっていない児童期の子どもの受験であり、生活や通塾、家庭学習、メンタル面などについて、親や年長者のサポートが欠かせないからです。さらには、年下の弟や妹がいる家庭では、一緒にくつろいだり遊んだりする機会もおのずと制限されがちです。そういった諸々の我慢も、家族の協力の一要素に他なりません。多くの場合、準備学習期間は2年から3年ぐらいは必要で、受験生本人の粘り強い努力の継続が必要なうえ、他の家族にかかる負担も相当なものがあります。

 保護者の方々に申しあげます。受験準備を始めたばかりの頃を思い出してください。お子さんはまだ甘えん坊で、あどけなさも幾分残っていたのではないでしょうか。ところがどうでしょう。今やすっかり逞しい姿に成長しておられるのではないですか!? ですが、それだけではありません。もう一度お子さんの表情までもよく見てあげてください。見かけの姿が変わっただけではなく、以前よりも人間としての落ち着きや余裕、自信のようなものが感じられるようになっていませんか? それはきっと、目標の達成をめざし、こつこつと努力を継続するプロセスによってもたらされた、内面の変化を映し出したものに他なりません。この内なる成長こそ、お子さんの将来の歩みを支える無形の財産ではないでしょうか。

 2年、3年に及ぶ長い期間、来る日も来る日も勉強と向き合い、他の様々なやりたいことを我慢したり調整して学んだ日々…。無論、遊びたい盛りの年齢期にあるお子さんですから、誘惑に負けそうになったこと、勉強に身が入らなくなったこともあるでしょう。そうして、やっと受験に照準を当てて真剣に学び始めると、今度は別の問題が表面化してきます。一生懸命にやっても成績が上がるどころか逆に落ち込み、必死で巻き返しを図っても成果が得られず、途方に暮れたこともあったでしょう。そんなさなか、親子での衝突もあったことでしょう。それは当然のことです。親は親で壁に突き当たって苦しむわが子を心配し、状況を確かめたり手を差し伸べたくなったりするものです。しかしながら、わが子はちょうど親離れし自立へと向かう最中にあります。そんな親離れ、子離れの交錯する時期の受験ですから、いざこざがあったとしても誰が悪いわけでもありません。

 幾多の紆余曲折を経て、お子さんは今や目標としていた受験を無事に乗り超えました。様々な困難に揺れながらも、最後までがんばり抜いた経験は何にも代えがたい貴重なものです。きっとお子さんは、「努力すれば何だってやれないことはない!」という自信や将来に向けての意気込みを得ておられることでしょう。そして、受験を終えて一息ついた今は、親子間に生じた多少の軋轢も、自分への愛情があったからこそのことなのだということを、十分に理解されています。ですから、そういうこともすべて無駄ではなかったのです。

 ただし、お子さんにとっては中学校に進学するこれからが自分の判断に基づく人生設計の始まりです。より善い人生の歩みを実現すべく独り立ちしていかねばなりません。そこで受験を終えた今、親子が家庭で一緒にいられる時間を見計らって、一緒に「受験までの振り返り」をしてみてはいかがでしょうか。長い受験生活を乗り換えたことをまずは大いにほめてあげてください。そうして、楽しい会話をしながら親からの提案としてこの話を切り出してみてはいかがでしょうか。

 「受験でどんな点で成長できたか」と、「反省すべき点は何だったか」を箇条書きにしてみると、今回の受験が何をもたらせてくれたかや、今後の課題が明らかになってくると思います。

 お子さんが書いたことをもとに、これまでの受験生活の努力を認め、慰労してあげてください。それから、中学校進学後に向けた展望を語り合うのもよいでしょう。もしも親としての反省点があれば、率直にわが子に伝えて謝ることも、親子の相互理解を深める機会にもなるのではないかと思います。もうすぐやってくる思春期は、親にとってつらい対立が生じがちですが、中学受験を通じてしっかりとした関係を築いた家庭においては難しい問題には至らないものです。中学受験の効能はそんなところにもあるのですね。

 中学校に進学したら、より一層自立の姿勢が求められます。学習のレベルも上がります。最初は中学受験のおつりで余裕があるため、つい気が緩みがちですが、そのことを保護者におかれては踏まえていただき、「現時点の自分を見つめ直し、成果と反省点をはっきりとさせたうえで次のステップに足を踏み入れよう」と優しく促してあげてください。

 どこに合格したかが成果の全てでは決してありません。これからの長い学びの人生を歩むうえで大切なものを見つけた。中学受験の意義はそういった意味においても大きな価値をもつのではないでしょうか。受験を振り返り、そして次のステップへと夢と希望とをもって臨みましょう! ほんとうにお疲れさまでした。

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カテゴリー: ごあいさつ, アドバイス, 家庭学習研究社の特徴