夏のおかあさんセミナー2022 内容報告1

2022 年 7 月 7 日

 今回と次回は、7月1日(金)に実施した「夏のおかあさんセミナー」の内容をご報告しようと思います。「催しに興味はあったが、都合がつかなかった」「家を空けるのが難しいので、参加できなかった」などの理由で、会場にお越しいただけなかったかたもおありでしょう。よろしければこのブログ記事をお読みいただき、参考にしていただけたら幸いです。

 なお、会場にいてこそ得られるものもあります。たとえば、保護者同士の交流(今回は、コロナの問題があって控えめにしました)。子どもに関する悩みは、同じ立場にいる者同士で交流すると、不思議と元気が出てくるものです。また、会場での話題のなかには、活字でご紹介するのが難しい事柄もあります。それは、概しておかあさんがたに元気を吹き込むことを意図した実例に基づく話であり、会場に笑顔が広がったり場の雰囲気が盛り上がったりするのはそういう話をしている場面です。いささか実力不足の筆者ですが、来場の方々と思い(子どもへの愛情)が通じ合うこの瞬間を大切に思い、気持ちを込めてお話ししています。次回、もしご都合がつけば会場に足をお運びいただきたいですね。一緒に楽しい時間を過ごしましょう。お待ちしています。

 このセミナーは実質1時間ほどです。直前になって欲張りすぎたことに気づき、予告の段階の内容を大分減らしました。今回ご紹介するのは前半の内容ですが、非認知能力を育てるうえで大前提となる家庭教育とはどういうものかを一緒に考えていただきました。

① 主体的な行動様式を備えた子どもにする

 何をするにも自主的かつ積極的に取り組む子どもは、見ていて気持ちがよいだけでなく、やったことの成果をより多く享受できます。端的な例が勉強です。自分のこととして主体的に取り組む子どもは、受け身で取り組む子どもよりはるかに多くの収穫を得ることができます。こういった姿勢の違いは、年齢が上がるにつれ個人の行動特性として定着しますから、人生の歩みに多大な影響を及ぼすことでしょう。ある私学の廊下の掲示板で見た光景をご紹介し、この問題への対処を共に考えていただきました。

 私学の中学高校生に、今更「生活習慣の自立」もないものだと思い、先生に意図を尋ねてみました。すると、「これが万事に影響するからです」といったようなことをおっしゃいました。たとえば朝自分で起きられず、母親に起こしてもらっている生徒がいるとします。そんな生徒は寝坊して遅刻をするとそれを母親のせいにしてしまいます。そんな生徒が自立した勉強を貫き、高い次元の人生目標を達成できるでしょうか。だから、「まずは生活上のことを自立しなさい」と促しておられたというわけです。

 今日の少子化社会では、子どもは万事に甘やかされて自立が遅れがちです。この現実に照らすと、「子どもの主体性は自然と備わるものではなく、親が子育てを通して意図的に育てていくべきものだ」と言えるでしょう。大家族の時代とは環境が違うのですね。まずは自分のことを自分でやるのが当たり前になる。それが、人間としての主体性や行動力の源になるのではないでしょうか。できるなら、小学生の今のうちに基本的生活習慣を確立しておきたいものですね。

 そこで、以下のチェック項目を使って現状を振り返ってもらいました(以前も同じものをご紹介したことがあります)。

 各自チェックしていただいたあと、テーブルに同席されているおかあさんがた同士で、現状をどう受け止めておられるか、わが子にどんなアプローチをしているかを披露し合っていただきました。うまくいかない項目があるかたには、他のおかあさんからアドバイスをしていただくこともお願いしました。

 つぎにこんな話もご紹介しました。家庭学習研究社の5年部で優秀な成績をあげているお子さんのおかあさんに、「どういう勉強で、こんなによい成績をあげておられるんでしょうか。親は何かされていますか?」尋ねてみました。すると、「何もしていません。はじめは苦労したみたいですが、だんだん塾の勉強になじみ、今は家での勉強も『やるのが当たり前』と思ってやっているみたいです」という返事が返ってきました。やるのが当たり前になる。この流れも、生活習慣の自立あってこそのことではないでしょうか。

 さて、今度はおかあさんがたにクイズのような質問をしました。

行動の主体性・意欲を育てるうえで、どっちが有効?

 おかあさんがたのほとんどは、Bとお答えになりました。この結果を受け、「実は、どちらも有効で大切です」とお伝えした後、「小学生、特に低~中学年まではAのほうが有効です」と申し上げ、その理由をご説明しました。望ましいのは、本来はBのほうです。しかし、児童期前半までの子どもは、自己評価よりも親の評価を優先します。親にほめてもらいたいという気持ちのほうが、自己充足感よりもモチベーションの原動力になる年齢期なのです。親にほめられたくてがんばる経験を繰り返しながら、徐々に内面の成長とともに自分の気持ちの充足を支えにして学ぶようになるんですね。

 もう一つ大切なことがあります。成績がよければほめるというのは教育的とは言えません。以前もお伝えしましたが、成績と引き換えにほめるのでは、交換条件のようで、子どもの心に響きません。子どもは、結果に関わらずがんばりを見てほしいのです。「おかあさんは、成績さえよければご機嫌なんだ」と思わせてはなりません。がんばったのに成績が伴わず落ち込んでいるとき、親はがんばっていたことをちゃんと見てくれていて、それをほめてくれたならどうでしょう。そして一緒に悔しがってくれたならどうでしょう。子どもの気持ちは「今度こそ!」と奮い立つに相違ありません。ほめられた事柄に一貫性があり、筋が通っていれば子どもは納得します。そして、心からおかあさんを信頼し、尊敬する気持ちになることでしょう。

 なかには、「ずっと叱ってやらせてきたので、今更どうすればいいの?」と困惑するおかあさんもおられるかもしれません。そこで、「他律から自律へ」「外発から内発へ」と移行することも可能であるということをお伝えしました。ここでも、ポイントは親がほめるということです。勉強だけでなく、どんなことでも構いません。子どもに少しでも前向きな様子が感じられたら、それを取り上げてほめるのです。親に自分を認めてもらえたことがうれしくない子どもなんていません。「どういう行動を親が喜びほめてくれるのかを身をもって学んだ子どもは、少しずつそれを自分からやろうとし始めます。それをまた親は喜びほめるのです。やがて子どもの行動の自発性は内面化し、子ども自身の行動様式へと変化していくことでしょう。

 このことでもわかりますが、子どもを親が望む方向へと成長させるには、「親が何を期待しているのか」をはっきりと伝え、評価の軸を一貫させ、辛抱強く子どもを見守り、ほめるべきときにしっかりとほめることが必要です。大変忍耐の要ることですが、それが子どもの人間形成に強い影響を及ぼすのですから、今親ががんばらないでいつがんばるのかと言ってよいほど重要な局面にいることを思い起こすべきでしょう。

 筆者は多くのことを一気にしゃべる人間ですので、お話ししたことの全てはとてもご報告できません。とりあえず、前半の内容をかいつまんで書いてみました。近日中に後半を書こうと思います。よろしければ目を通してください。なお、セミナーに参加いただいたおかあさんがたには、当日の内容を思い出すためにお読みくださったらうれしいです。

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夏のおかあさんセミナー、盛況でした!

2022 年 7 月 1 日

 本日、夏のおかあさんセミナーを実施し、盛況のうちに終了することができました。参加者のみなさま、ほんとうにありがとうございました。催しの最中に、何度か同じテーブルを囲んだおかあさん同士で、テーマに沿った話を自由にしていただく趣向を採り入れましたが、たちまち部屋中におかあさんがたの声が元気よく響き渡りました。「みんな、同じように苦労されているんだな」と実感されたかたが多かったようです。また、「お話が具体的でわかり易かった」という反応を数多くいただき、企画実施者として報われた気持ちにもなりました。ありがとうございました。

 なお、申し込みを受け付けて僅か2~3日のうちの定員に達したため、参加いただけなかったかたもおられたようです。申し訳ありませんでした。そこで、お詫びに本日お話しした内容の初めの部分をご紹介することにしました。

 このセミナーの企画は筆者が担当しました。また、会場での進行役もいたしました。以下は、弊社の後継スタッフのために筆者が何をお伝えするつもりかを書き留めていたものです。実際とあまり違わないと思いますので、よろしければ目を通してみていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。なお、この催しではビジネスに関わる話は一切しませんでした。ただただ「おかあさんがたを支援したい」という思いで行った催しだからです。

 国立遺伝研究所の所長の著書に、「文明から取り残されたアフリカの奥地で生まれた人のなかにも、ノーベル賞級の才能を秘めた人はいる。しかし、ほぼ100パセントの人はその才能に気づかないまま人生を終えている」というくだりがありました。これが意味するのはどういうことでしょうか。才能が芽吹いて育つには、それを可能にする環境や刺激が欠かせないということです。

 かつて、人間の能力は遺伝で決まるのか環境で決まるのかという論争がありましたが、現在では両者の相互作用で決まるという考えが主流です。遺伝について言えば、特別な専門領域の才能を除けば、誰でも高等教育に順応して社会で活躍できる潜在能力をもっています。ですから、「いかにして能力開花の流れを築ける環境を整えるか」が非常に重要なカギを握っているのではないでしょうか。

 日本という国はその点で恵まれています。誰でも優れた高等教育を受けるチャンスがあります。問題は、そこへ至る流れを誤らないことです。そのためにぜひとも重要視していただきたいのが家庭教育です。家庭教育で育まれるもののなかに、能力開花に必須の要素がたくさんあるからです。

学力の裾野に何があるか

 学力の話をすると、「何をどう勉強したら力がつくのか」ということにのみ目が向きがちです。しかし、その前に目を向けるべきものがあります。たとえば、学習成果を左右する目に見えない知力(非認知能力)です。非認知能力のほとんどは、主として児童期までに形成されます。そのことを踏まえるなら、この目に見えない知力の成長を引き出しながら受験勉強を進めていくことが、大変重要になってきます。非認知能力を磨けば、自ずと学習の成果も高まります。さらには、中学進学後の学習の発展への備えをしていくことにもなるでしょう。

 上図を見てください。テストで測れる学力は、本来は非認知能力と呼ばれる要素と連動させながら培っていくべきものです。したがって、家庭教育の関与が不可欠と言えるでしょう。いっぽう、大人の強制や覚え込み、訓練型の指導でもテストでの得点力をあげることができます。こちらは家庭教育の関与は必須でないうえ、手っ取り早くて即効性があるため、この方法を採る人がたくさんいます。しかし、そのやりかたで得た学力は中学、高校、大学へと進むほどに剥がれ落ちてしまいます。

 子どもの将来まで見通したなら、家庭教育と受験対策を切り離す方法はあり得ないのではないでしょうか。毎日の家庭での親の関わりや生活、学びを通して非認知能力を磨き、自らの行動を自ら適切に律する姿勢を身につけ、それを学習活動に反映させるべきです。一見学力と無関係に思える非認知能力ですが、これらの力なくして高度な学問を修めることはできないし、実社会で活躍できる人間にはなれません。

 受験勉強が佳境に入る前に、親が施すべき家庭教育とはどのようなものかを考え、一貫してそれを実践していく必要があります。

 

 以上のようなお話をしたうえで、この催しの具体的な内容に入りました。次週、可能な範囲でそれをご紹介しようと思います。よろしければお読みください。

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子どもがいてよかったと思うこと、子育ての悩み

2022 年 6 月 28 日

 このところ随分と蒸し暑い日が続いています。「早くも梅雨が明けるのか?」と思うくらいです。みなさま、熱中症などにかからないよう、十分にお気をつけください。先日、公的調査資料でみなさんにご紹介してみたいものが目に留まりましたので、それをご紹介してみようと思います。今、夏の講座の募集活動やいろいろな催しの準備等に追われ、ブログの原稿を書く時間がなかなか確保できません。手抜きで恐縮ですが、参考になれば幸いです。

 厚生労働省のサイトに、子どもをもつ保護者対象の興味深い調査の結果が掲載されていました。7歳児(小1)の子どもをもつ保護者の意識を調査したもので、21世紀の初年にあたる平成13年に出生した子どもと、平成22年に出生した子どもの保護者の意識を比較したものです。世代間比較もさることながら、みなさんが思ってこられたことと比較していただけたらと思います。
※下記①~④のグラフ画像をクリックすると、画像が拡大表示されます。

① 子どもがいてよかったと思うことの有無の世代間比較

② 子どもがいてよかったと思うことの内容の世代間比較 (複数回答)

③ 子どもを育てていて負担に思うことや悩みの有無の世代間比較

④ 子どもを育てていて負担に思うことや悩みの内容の世代間比較 (複数回答)

 どうでしょう。お子さんがすでに大きくなられたかたは、低学年児童期の頃のことを思い出し、この調査結果と比べてみてはいかがでしょうか。共感できることも多いのではないかと思います。

 子どもがいてよかったと思うことの内容を見ると、「子どもの成長に喜びを感じる」というのが2回の調査でいずれも一番多く、特に平成22年出生児の保護者では89.0パーセントもの回答があることに目が留まりました。

 子育てには悩みがつきものです。子どもが何歳になっても悩みは尽きませんが、年令によって悩みの種類は変わるものですね。出費がかさむという悩みがいちばん多いようですが、子どもがもっと大きくなるとさらにこの悩みは大きくなりそうですね。自分の時間がもてないという悩みをもつ人も多いですね。これも大いにうなずけます。もっと子どもに構ってやりたいものの、その時間が思うように確保できないという悩みをもつ人も多いですね。この悩みは、平成22年出生児の保護者のかたが多いのも目に留まりました。

 「気持ちに余裕をもって子どもに接することができない」という悩みをもつ人も多いようです。よその家の子どもならいざ知らず、ことわが子のことになると冷静になれないのが親というものです。叱っているうちに感情が昂り、思わぬ暴言をわが子に浴びせてあとで後悔するかたも少なくありません。

 子育てには苦労がつきものですが、他のものには代えられない喜びや希望が得られます。ある本に、「子育ては、人間の仕事の中でいちばん崇高で重要なものだ」とありました。その理由は考えてみるまでもありません。子育てに関わるカウンセラーのかたは、「今は何かとうまくいかないこともあるけれど、何とかなるさ」と気長に楽観的に構えることを勧めておられます。その通りだと思います。子どもに愛情をもち、毎日心を込めて接していれば、必ず親の思いが通じるものです。

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家庭学に通って得られるもの ~夏期講座のご案内~

2022 年 6 月 20 日

 6月も後半を迎えています。日中は蒸し暑さを覚え、だんだんと夏が近づいているのを実感します。熱中症になる人が増えていますので、くれぐれもお気をつけください。

 先日このブログでもご案内しましたが、7月1日(金)に「夏のおかあさんセミナー」(対象:小1~5のお子さんをおもちの保護者)という催しを開催いたします。ワークショップ的な形式の催し用にセッティングされた会場のため、会場の収容人数に限りがあります(40名)。受け付けできるのはあと数名となっています。参加をご希望のかたは、ホームページの案内や実施要項をお読みのうえ、手続きをしていただきますようお願いいたします。※20日に定員に達しました。申し訳ありません。

 さて、現在弊社では夏休みの講座の参加生を募集しています。低学年部門(小1~3)は通常講座も含めて申込順に受け付けています。受験部門(小4~6)は、通常の講座では入会資格を得るための試験(会員選抜試験)を受けていただき、一定の成績を得たお子さんに入会いただいていますが、夏の講座に関しては申込順に定員まで入会いただけます(6年生のみ、「会員選抜試験」を実施します)。学習指導の学習指導について詳しくお知りになりたいかたは、「入会ガイダンス」という催しを各校で実施していますので、日程をご確認のうえ参加いただきますようお願いいたします。校舎長が丁寧にご説明いたします。詳しくはホームページに案内がございます。

 今回の記事は、夏の講座の募集が始まっていることもあり、弊社の学習指導の特徴について簡単にお伝えしようと思います。

 家庭学習研究社は昭和42年に設立された中学受験の専門塾です。今日まで一貫して堅持している方針の一つに、「子どもの望ましい成長に資する学習指導の実践」というのがあります。この方針は、今も子どもたちにとっても大切なものであると考えています。これから、そのことについてお伝えしようと思います。

 弊社は進学塾ですから、合格を得るための指導をするのは当然のことです。実際、50年余り前の設立当初は「合格」を最大の使命として受け止め、一人でもたくさんの受験生が志望校に受かるよう必死に指導したと、経営者から聞いています。その結果、たちまち県内指折りの実績をあげるようになりました。しかしながら、合格のみを眼目として指導することの弊害をたちまち痛感する事態に至りました。せっかく志望校に受かったのに、中学進学後に伸び悩み、再び相談にやってくる保護者や生徒さんが後を絶たなかったのです。これはどういうことでしょう。難関とされる私立一貫校ほど授業レベルが高いのは当然のことながら、生徒は一人前の人間として扱われ、自己管理の下で勉強していく姿勢が当然のように求められます。このような環境においては、受け身の勉強をしてきた生徒は高度で速い学習の流れについて行けません。さらには、夢の叶わなかった子どもたちの明日に対する配慮の必要性も痛感することとなりました。受かっても受からなくても、子どもたちの明日につながらない指導は意味がないということを思い知らされたのでした。

 そこで、「子どもたちの将来の飛躍を展望でき、なおかつ志望校合格が得られるやりかたがあるのではないか」と経営者は考え、教育の専門家に師事して学び、創意工夫の末行きついたのが現在の方針に基づく学習指導です。今回は、その柱となるものをいくつか取り上げてご説明しようと思います。

 

①自立学習支援

 弊社の学習指導は「週3日通学」を原則としています。それは、授業日と授業日の間に家庭学習の日を設け、予習や復習をする姿勢を定着させるためです。家庭での一人勉強ができるようになった子どもは、どのような中学校に進学しても自己管理の下で勉強を進めていくことができます。ただし、一人勉強は小学生には難しいのが現実です。そこで授業では、その回の重要事項を学ぶだけでなく、家庭で一人勉強ができる態勢を築くための指導も行っています。復習はどこをどうやるべきか、ノートの上手な取りかた、板書をうつして家庭で活用すること、テスト前のまとめ学習のしかたなど、自分で勉強を進めていくために必要なことを講座の進行と併行して学び取らせるのです。専用のテキスト自体が、子どもの自立勉強をサポートすることを目的に編集されています。

 

②子どもの気づきを引き出す授業

 弊社では、重要事項を教え込んだり、たくさんの問題を解かせたりする授業は行っていません。たとえば算数では、その回の授業で扱う最も重要な考えかたを、子どもたちが自分で考えて気づくよう導いていきます。興味をもたせ、問いかけ、考えさせ、気づかせていく流れを基本に置いています。このような授業は発見の喜びを味わわせてくれるし、筋のよい考えかたを身につけるうえでも役立つでしょう。また、中学進学後に受ける授業と極めて強い共通性があるため、中学進学後も違和感なく授業を受けることができます。ただし、この方法だと授業で扱える課題の数が限られてしまいます。それを補うのが家庭学習でもあるわけです。授業で扱わなかったテキストの課題を家庭で取り組む。これは、子どもたちが自主的に行うもので、宿題ではありません。個々の子どもたちが、自主的にやれるところまで取り組む勉強だからこそ、学びの自立につながります。それを理解し実践していったお子さんは、先々の飛躍を約束されたようなものです。

 

③現状を分析し修正する

 2週間に一度実施するテスト(マナビーテスト)は、全会員で成果を競い合う場です。よい成績をあげようと、みんな一生懸命準備をしてこのテストに臨みます。テスト後には、得点や順位をお知らせするだけでなく、全設問の正答率がわかる資料も提供しています。ほとんどのお子さんができている平易な問題(★印1つ)から、ほとんどのお子さんができなかった問題(★印5つ)まで、5段階表示します。たとえば、平均点を取るのが課題となっているお子さんは、★印3つまでを完璧にできるように復習するとよいでしょう。これをくり返すことで、1年もすれば現状がどうであるかを分析し、一歩ずつ向上をめざしてがんばる姿勢がかなり備わるでしょう。自分の状態を客観視し、修正をはかる姿勢は、中学進学後もずっと必要とされるものであり、中学受験の段階で身につけておけば大いなるアドバンテージになります。

 

 長くなりそうなので、ここまでとしておきましょう。以上のような学習指導を通じて身につけた学びの姿勢は、今日の社会で一人前の人間として生きていくうえで必要な力を授けてくれることになります。自己管理の下で行動する力、自分で考え主体的に行動していく姿勢、現状を客観的にとらえるメタ認知的視点、先を読んで必要な段取りを組む力、自分を励まし目標に向かって努力を続ける姿勢等々…。これらの能力をある程度身につけたなら、先々の更なる成長や発展が見込めるでしょう。どの学校に行ったかよりも将来を展望するうえで大きな支えになると確信しています。

 夏の講座は、比較的短期間で家庭学習研究社の学習環境をひととおり体験していただけるよい機会です。ぜひお子さんを通わせてみてください。お子さんを励ましながら、がんばりの様子を見守ってあげてください。よい変化が生じているようなら、引き続き秋からの講座に通っていただきたいですね。

 最後に一言。中学受験は、成長途上の子どもが受験生ですから、大人のサポートが必須です。どんなにしっかりしたお子さんでも、一人で受験生活を乗り切ることはできません。大人の手助けが必要だということは、大人が受験をどのようなものと受け止めているかが学習成果に大きく影響するということです。ご縁をいただいたなら、できるだけ共通の価値観や視点に立ち、子どもたちの成長につながる受験を達成すべくがんばってまいりましょう。よろしくお願いいたします。

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オンライン親子セミナー‟県立広島編”を開催します(会員向け行事)

2022 年 6 月 13 日

 昨年の11月に初めて開催した、オンライン親子セミナー‟広島学院編”が好評をいただき、引き続いて‟ノートルダム清心編”‟広島中等教育学校編”と同様の催しを実施してきましたが、今月の26日(日)には第4弾の‟県立広島編”を開催いたします。

 当日は弊社スタッフが学校に出向きます。そして、中学教頭の先生にいくつかの問いかけをし、それについてお話しいただくことになっています。中等教育学校編では、生徒さんにも参加いただきましたが、今回は定期試験の直前であり、難しい状況にあります。そこで、生徒さんが学校について語ってくださっている様子を映像でご紹介したいと考えています。そんな事情もあり、今回のブログでは催しの詳しい内容をご紹介するのが難しく、代わりに県立広島の設立以来の弊社からの受検と進学の状況をご紹介することにいたしました。本記事をお読みいただき、この催しに興味をもってくださればうれしいです。

 広島県の公立一貫校の嚆矢として、2004年(平成16年)に開校された県立広島中学校・高等学校(東広島市高屋町中島 JR山陽本線西高屋駅近く)ですが、いまや県内有数の進学校としての地位を不動のものにしています。今年の大学への合格状況を調べると、東京大学へ3名、京都大学へ2名、大阪大学に10名、九州大学に14名の合格者があり、公立高校の中では基町高校と並ぶ高い合格実績をあげておられます。地元の広島大学には51名(医学科5名、歯学科4名)が合格し、こちらも注目に値します。

 開校の前年、県庁の開設準備室におられた初代校長をお訪ねし、学校の構想や見通しなどについて伺ったことがあります。あれから20年近くが経過した今、当時の校長先生の意気込みが見事に結実していることに感慨を覚えざるを得ません。なにしろ、まだ生徒募集も始まっていない段階でしたので、現在のような姿は到底想像できませんでした。今や広島県には公立一貫校が5つ存在します。ご存知だったでしょうか? 近年全国的に公立一貫校が増えており、茨城県などのように1年に10校以上増設されている例もあります。

 公立の中高一貫校は、すべて同じ形態で運営されているわけではありません。4月に同趣旨の催しでご紹介した広島中等教育学校が、中学校からの募集のみの完全6か年一貫教育の体制であるのに対し、県立広島は中学校からの募集(160名)と高校からの募集(240名 ※併設中学校からの入学者を含む)との両方がある、いわゆる併設型の形態をとっています。また、設立母体も前者は広島市、後者は広島県です。県立広島は寮も完備しており、県内一円からの受検と進学が可能な点が特徴です。実際、弊社の会員受験生も地元の東広島校だけでなく、広島市の中心部やJR沿線部に住まいのある受験生が相当数受検をし、実際に進学しています。

 なお、近年開校された県立叡智学園中学校・高等学校は併設型であり、なおかつ全寮制であり、外国からの留学生を受け入れるという点で、他の公立一貫校とはまた違った特色をもっています。

 以下は、最近5年間の弊社会員受検生の合格状況と進学状況です。

 上表をご覧になると、弊社会員の合格者数、進学者数が年々増えていることがおわかりでしょう。当初は男子の受検者が少なく、合格しても私立や国立の一貫校を進路に選ぶ傾向が強かったのですが、2019年ごろを境に、男子も進路に選ぶケースが増えています。合格に向けた難易度ですが、公立一貫校独特の適性検査と内申書による選抜のため、4教科の学力試験をする私学と同列の比較はできません。ただし、応募者数が2022年度760名、2021年度912名と、私学の男女有力校に遜色ありません。募集人数も160名と私学より少なめで、しかも合格者の発表はきっちり募集人数分であり(入学手続きの進捗に合わせて一定数補欠者の繰り上がり合格があります)、相当な難関であるのは間違いありません。

 私学には公立一貫校にはないよさがあります。たとえば設立者の教育にかける志、伝統で醸成された重厚な校風、圧倒的な卒業生のネットワークなどです。いっぽう、公立一貫校はいずれも歴史が浅く、そういった面では私学にどうしても軍配が上がります。しかしながら、学校の設備や学費面等では公立一貫校に大きな魅力があります。また、グローバル社会の進展を見通し、社会で活躍できる人的モデルに基づいた方針やカリキュラムを携えておられます。「どちらを選ぶべきか」と悩ましい思いをされる保護者も多いことでしょう。難しいのは進路選択の是非がある程度わかるのは、社会に出て10年、20年経ってからだということでしょう。そこで大切にしたいのは、「この学校に進学しよう」と決めたら、その選択を信じてがんばることです。学校の形態はどうであれ、それぞれに固有のよさがあるものです。よい先生も多数おられます。ですから、子どもが前向きさを失わず、努力を続ければ必ずよい人生が築けるに相違ありません。

 今回は県立広島が話題ですので、この学校に関する筆者のちょっとした思い出をご紹介しておきましょう。学校の設立間もないころから、弊社では地元の東広島校で県立広島の学校紹介をする催しを実施しています。毎年広報を担当されている先生一人と、弊社東広島校の出身生数名をお招きして、どんな学校か、どんな学校生活を送っているかを楽しく語っていただくという趣向の催しです。

 ある年、「なぜ公立一貫校を選んだのか」という質問に対し、中学3年生の男子生徒が、「家の経済状態を考え、少しでも親に負担をかけたくないと思って選びました」と答えてくれました。彼は学年トップランクの成績をあげ、部活にも熱心に取り組んでいるということを後で知りました。また、同学年の女子生徒に、「塾に行っていますか?」という質問がありました。すると、彼女は「自分で勉強をしっかりやれているという手応えがあるので、行くつもりは今のところありません」と笑顔できっぱりと答えてくれました。こちらも学年指折りの成績をあげている生徒さんでした。

 親の負担を考える。自分でやれる限りは自分でがんばる。このような生徒さんなら、おそらくどのような学校に進学しようとも十分にやっていけることでしょう。それどころか、前途洋々たる人生が待っているに違いありません。私立に行こうが、国立に行こうが、公立に行こうが関係ありません。自分が選んだ環境を肯定的に受け入れ、そこでやるべきことを見失うことなくやり遂げていけるからです。保護者におかれては、そこに目を向けていただきたいと強く思います。

 なお、公立一貫校に入るには適性検査対策さえしておけばよいのでしょうか。まず言えるのは、適性検査の内容をよく見ると、算数や国語、理科、社会などさまざまな教科の基礎学力がないと対応できません。私立の難関校で出されるような難問がらみの出題はない代わりに、分析的思考や表現力などが求められています。さらに言えるのは、中学に進学してから大学受験までにやるべきことは私学であれ公立一貫校であれ同じです。中学進学にあたってしっかりとした基礎学力を備えておくことが必須であるのは言うまでもありません。したがって、弊社の会員は私学を受けるにせよ、公立一貫校を受けるにせよ、基本的に最後まで共通の学習指導を行っています。公立一貫校対策は、希望者に対して夏頃からしっかりと行っていきます。

 オンライン親子セミナーにおいてはご家庭からの質問も受け付けます。親子で知りたいことを話し合い、申込時にそれを書いてみてはどうでしょう。ご家庭での視聴に、もう一つ楽しみが増えるでしょう。ぜひ試してみてください(たとえ催しで紹介されなくても、後でHPに回答が掲載されることもあります)。なお、申込方法など、詳しいことはホームページ(会員専用ページ)でご案内しています。そちらをご覧ください。

 オンライン親子セミナー‟県立広島編”に、ぜひ参加してみてください!

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