5年前期に学習が軌道に乗ると、後が楽になる!

3月 26th, 2024

 前回は、「受験生活を通じて学習の自立を果たす」という弊社の基本方針がどういういきさつで生まれたのかをご紹介するとともに、それを達成するプロセスで保護者のサポートが欠かせない理由等についてお伝えしました。今回は、お子さんの学習の自立に向けて保護者にどんなサポートが求められるかについて、多少具体的にお伝えしてみようと思います。まずは5年部の保護者に向けて。

 

 5年部では、4年部までに学習した算数・国語の学習に加えて理科と社会が登場します。すなわち、いよいよ本格的な受験生活がスタートしました。4年部からの進級組も、5年部からの新規入会組も、4教科の学習はかなりの負担になります。そこで弊社では、開講後の2~3か月間は4教科の学習に慣れることを優先し、学習の負荷が強くならないよう配慮しています。今のうちに塾への通学と家庭学習がうまく連携した学習生活を確立しておきましょう。平日の通学がない土曜コース、通学が全くないオンラインコース会員の保護者にとっても、ある程度参考にしていただけると思います。

 

 さて、これからお子さんが溌剌と学習に励み、充実した受験生活を実現するにあたっては、保護者のサポートが欠かせません。ただし、5年部において親が注力すべきは、勉強の面倒をみる(教える)ことよりも、子どもの学習に期待や関心を寄せ、絶えず励ましの信号を送り続けることです。お子さんにとって、「親が自分の勉強を見守り、がんばりを評価してくれるかどうか」が、やる気や実行力に大きな影響を及ぼし、それが自立した人間への成長を後押しするからです。こうした関わりこそ保護者にお願いしたいサポートです。助走期間の今、最も気を配っていただきたいのは、わが子が勉強のやりかたを手のうちに入れているかどうか、やるべきことを迷いなく実行できているかを掌握することです。勉強の要領を飲み込めているようなら、あとはお子さんを信じて応援してあげてください。

 

 なかには親から見て自立とは程遠い状況にあるお子さんもおられることでしょう。しかし、だからと言って大人が勉強の全てに直接関わると、子どもの自立はますます遅れてしまいます。こういうお子さんの場合、勉強の取り掛かりまでは付き添う必要がありますが、お子さんが自分でできそうなことは自分でやるよう促してください。そして、一人でやり切ったら大いに喜びほめてあげてください。そうやって、自分でやり遂げることへの意欲とプライドを育てていきましょう。当面は成績のことよりも自分で取り組む姿勢を育てることを優先することが肝要です。自分でやり遂げる充実感を味わわせてやりましょう。以下は、保護者に求められる視点とサポートについて少し具体的に示したものです。

 

1) まずは妥当な「学習計画」に基づく生活を築きましょう。

 5年部会員のおとうさんおかあさんに、まずもってお願いしたいのは、お子さんの学習計画が妥当なものになるようアドバイスしていただくことです。そして、計画的に無理なく勉強を進めているかどうかを見極めていただくことです。

 ご家庭に配布している「学習のすすめ方」という冊子をご覧になったでしょうか。この冊子には、書き込み式の「学習計画表」があります。ご家庭やお子さんの生活サイクルを考慮のうえ、無理のない学習計画を立てることが大切です。「学習計画表」はよく見える場所に掲示し、常にその計画表に基づいて勉強するようお子さんを励ましてあげてください。

 

2) お子さんは、家ですべき勉強やその手順を理解しておられますか?

 成績不振の家庭を調べると、お子さんが家でどんな風に勉強しているかを保護者が掌握しておられないケースがあります。妥当でない勉強や自己流のやりかたを続けていると、当然マナビーテストの成績も上がりません。お子さんの取り組みが集中力を欠いていたり、思わしくない成績をとり続けたりした場合、このケースが当てはまる可能性大です。お子さんに確かめ、解決困難な問題があったならすぐ指導担当者にご相談ください。

 

3) お子さんのノートをご覧になれば学習状態がわかります。

 わが子が塾での授業をしっかり受けているか、家でやるべきことが取り組めているかがわからないご家庭もおありかもしれません。お子さんに確認しても要領を得ない場合は、お子さんが塾で使用しているノートをご覧になればある程度わかると思います。

 ノートに、授業での板書がきちんと書き留められているでしょうか。何も書かずに授業を聞いただけで終わってしまうと、家での復習の手がかりがないため、要領を得ない勉強を繰り返すことになりがちです。また、せっかくテキストの問題に取り組んでいても、〇つけをしたり、間違えた問題のやり直しをしたりしないと意味がありません。それができているかどうかもノートを見れば一目瞭然です。男の子の場合、こうしたことが疎かになっていることがよくあります。

 2週目の学習(テストのある週)は、1週目に学習した内容のおさらいをし、理解を深めるとともに、マナビーテストへの備えをするしくみになっています(この学習を「がんばりチェック」と呼んでいます)。がんばりチェックをしっかりとやっていれば、2週目の土曜日に実施されるマナビーテストで一定の成績は取れるようになっています。極端に成績が悪い場合、こうしたシステムに呼応した勉強ができていない可能性が高いと思います。こうした点に不安があるようでしたら、校舎の指導担当者にご相談ください。

 

4) テスト成績の意味するものを取り違えないようにお願いします。

 進学塾においては、受験への見通しを立てるためにテストを定期的に実施し、その結果を示すデータを提供しています。しかしながら、数値(得点や順位)だけを見て「力がない」とお子さんも保護者も思い込んでしまうご家庭もあるようです。どのお子さんも、やるべきことを見定め、実行に移したなら、学力はついていきます。テストの結果は、やるべきことがどれだけやれているかを振り返るために活用していただきたいですね(問題別正答率表などで、基本問題を落としていれば、勉強の取り組みや方法に問題があります)。

 テストのあった日の夜は、できれば親子で2週間の取り組み具合を振り返っていただきたいですね。がんばれたこと、後悔を残しているところを確認したうえで、返却されたテスト結果を見れば、成果と反省点がより明確になるでしょう。ちゃんとやるべきことをやっていれば結果もついてくるし、やらなければそれが成績に表れるものです。それをお子さんが実感する経験を積み重ねることで、きちんとした勉強を心がける姿勢も強化できるでしょう。

 

 おしまいに。「計画通り勉強しているかどうか」をアンケートで調べてみると、「ちゃんとやれている」というお子さんは少数でした。「だいたい守っている」「ときどき守れない」というお子さんが一番多く、半数弱ほどがこのような状況のようです。全く計画を立てないで好成績を得ているお子さんもいますが、大半が入試レベルの学習に至る6年生後半になって失速しています。入試はポテンシャルだけで乗り越えられるほど甘くありません。計画を立てずに勉強しておられるご家庭は一刻も早く親子で話し合い、妥当な計画を立てていただきたいですね。

 

 何事も中途半端ではよい結果が得られません。「だいたい守る」や「ときどき守れない」といった状態のお子さんは、「必ずやり遂げるぞ!」という意気込みで取り組むよう、保護者からの励ましもお願いしたいところです。こうして確固たる学習習慣や学びの姿勢ができあがると、「やるべきことをやらない自分が許せない」という状態に達します。そこまで行きつけば、入試突破は間違いありません。そのレベルへ行きつくためにも、5年部前期の学習を大切にしていただきたいですね。そうすれば6年部に進級してからの保護者の負担も格段に軽減されるでしょう。ご理解ご協力、よろしくお願いいたします。

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子どもの自立学習を支える親の関わり その1

3月 21st, 2024

2024年度の前期講座が開講してもうすぐ1か月が経過します。お子さんは意欲満々の笑顔で弊社の教室へ通っておられるでしょうか? また、家庭での勉強は順調にはかどっていますか? 新年度開始からの2~3か月は学習を軌道に乗せるための助走期です。お子さんが塾での勉強になじむとともに、家庭での学習手順を理解し、決めた時間に机に向かって迷いなく勉強に取り組む状態をまずは築きましょう。

 

 家庭学習研究社の指導システムは、テスト学力(入試に通用する学力)をつけることだけを目的としているのではありません。学業で大成するための必須条件となる「計画的な学びの姿勢」を築くこと、「学習の自立」を果たすことを念頭に置いて編まれたものです。この方針は、設立間もない50年あまり前、当時の経営者が中学校進学後に行き詰まる教え子たちの様子を見て、「志望校に受かる学力を育成するだけではだめで、中学進学後の学業の飛躍を見通せる学習指導をすることこそ進学塾の役割なのだ」と痛感したことがきっかけでした(お子さんの勉強のすべてを学習塾で賄わないのはそのためです)。

 

レベルの高い中高一貫校の教育環境は、子どもの潜在能力に光を当て、知的能力を大きく伸ばしてくれますが、それは人間としての自立性を年齢相応に備えてこそ享受できるものです。生徒を一人前の人間として扱い、自分で這い上がる姿勢を求める教育環境は、大人に依存して勉強をしてきた生徒にとっては辛いものです。やるべきことを自覚し、自ら段取りをし、手際よく勉強に取り組んでいかなければなりません。こうした能力を6年間かけて磨くことで、実社会で求められる高度な自己コントロール能力を身につけることができます。「とりあえず、大人の後押しで志望校に受かれば、あとは何とかなるだろう」と考える保護者もおられるかもしれませんが、いったん染みついた受け身の学習姿勢は簡単に改められるものではありません。行動の自立性は、人間としての基本的枠組みが形成される児童期までに備えてくのが望ましいのは言うまでもないことでしょう。

 

 では、どうやったら子どもの自立勉強の芽を育て、伸ばしていけるのでしょうか。まだ自己に関する適切な判断能力が育っていない小学生の勉強は、子ども任せにはできません。ある程度子どもの勉強に関わりつつ、少しずつ手を放していくしかありません。その間合いが難しいのです。その意味においては、親のあるべき姿は生活面でのしつけと大いにリンクしています。親がサポートしつつも、子どもが一人でやれる範囲を少しずつ拡張していき、やがて何でも自分でできる子どもに成長させていくことが肝要でしょう。つまり、親の関与(しつけ)は‟点”ではなく‟線”として機能してこそ意味を成します。小学校高学年ともなると、生活面での自立はだいぶ進んでいると思います。しかし、こと勉強となると、しかも学校で学ぶ内容よりも難しいとなると子どものひとり立ちにはまだ時間を要します。それでも、この年齢期の子どもは親の働きかけに応じて日に日に成長を遂げていきます。現時点で親に要請される働きかけが何であるかを見誤らないことが大切ではないでしょうか。

 

 そこでまず保護者に求められるのは、塾で必要な勉強のうち、子どもが一人でやれることは何かを明らかにすることでしょう(親子の話し合いは必須です)。そして、子どもがやると決めたことについては信頼して見守ってやりましょう。親は大変ですが、当分はわが子の取り組みの様子を掌握することが必要だということをご理解ください。そして、子どもが自分の力でやり遂げることにプライドと誇りをもたせるよう接してあげてください。具体的には、予定したことをやり遂げたときは、大いに喜びほめることが大切だと思います。

 

保護者におかれては、家庭学習研究社のシステムに基づいた受験勉強がどのようなものかをおおよそ掌握されたでしょうか。たとえば、4年生については、お子さんが取り組んだテキストの問題の〇つけを保護者にお願いしていますが、ご協力いただいているでしょうか。これをされるだけで、お子さんがどれぐらい勉強をこなせているかを掌握できるでしょう。学習塾としては、保護者に「お子さんの勉強に深入りしないでください」と申し上げています。ですが、お子さんが家庭ですべき勉強が何かをよくわからず、ぼんやりと勉強していると、1ヶ月もすると覿面に成績として表われるものです。保護者にまずもってお願いしたいのは、お子さんが家庭ですべき勉強は何かを理解していただくこと、そしてその勉強をどの程度一人でやれているかを掌握していただくことです。

 

テキストの問題の解きかたを教えると、目先の成績はある程度上がりますが、常に勉強の内容に関わらざるを得なくなります。また、お子さんの学習の自立はままならなくなります。また、6年生後半の段階になると親が教えることもままならなくなります。その段階で親に手を離されたお子さんの受験勉強はお手上げにならざるを得ません。親が手伝うのは、わが子の自立に向けた過渡期の手段なのだと認識していただき、わが子が自分でできる範囲を拡張していくにつれて手を放すことを忘れないようにしてください。

 

 次回は、4・5年生の家庭勉強についての親の関わりについて、もう少し具体的にお伝えしようと思います。最後に、以下の事項について、みなさんのご家庭の現状を振り返ってみてください。

 

・わが子が、塾での授業をきちんと生かしているかどうか(お子さんの、ノートの書き込みの内容を見ると、板書を書き写しているかどうか、テキストの問題に取り組んでいるかどうかなどがわかります)

・予習や復習など、家でやるべき勉強がやれているかどうか(これも、お子さんのノートを点検すれば、ある程度わかります)

・テストに備えた勉強をちゃんとやってからテストに臨んでいるか(2週目の学習は、‟がんばりチェック”と名づけられた、まとめの内容になっており、これをしっかりやればある程度の成績はあげられるようになっています)

・テストを受けっぱなしになっていないか(テスト後に、親子で振り返りをしたり、テストの答案返却後に間違った問題にやり直しをしたりする必要があります)

 

 わが子と勉強について話し合うとき、互いに感情が昂ってしまい、喧嘩のような状態になることも多いようです。そうなると、勉強の効果をあげるという目的に反して逆効果を招くことになりかねません。冷静に落ち着いて話し合うようご留意ください。

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2024中学入試 弊社会員の合格・進路選択状況

2月 28th, 2024

 2024年度の中学入試における弊社会員受験生の合格状況と進路選択の状況をご報告します。広島県内の中学入試は、基本的にほとんどの学校の併願が可能です。したがって、複数の学校に合格した場合、どの学校に進学するかで悩まれるご家庭も少なくありません。そこで、例年参考までに主要校については他校を進路に選んだケースがどの程度あるのかをご報告しています。

 複数の中学校に合格した場合、偏差値の高い学校を選択するケースが多いのは事実ですが、それ以外の選択基準で選ばれるケースも結構あります。学校のカラーを選択基準にされるかたもありますし、専願で受験した学校を優先されているケースもかなりありました。なお、進路については未確認の会員家庭があります。あくまで参考程度の留めていただくようお願いいたします。

 ともあれ、さっそく弊社会員の合格状況、進路選択状況をご紹介してみましょう。

 

 

 50年以上前、弊社会員の主要なターゲット校は、広島学院、修道、広島城北、ノートルダム清心、広島女学院の私立4校と、国立の広島大学附属中学校でした。それは基本的に今も変わりませんが、広島城北、安田女子、広島なぎさなどにも多数の会員が受験し、進路に選んでいます。公立一貫校も近年は随分人気があり、県立広島や市立広島中等教育を受検する会員も少なくありません(このニーズに応えるべく、公立一貫校進学希望者を対象とする指導にも力を入れています)。公立一貫校といえば、以前は女子に人気が偏っていましたが、今年は男子合格者も多数進路に選んでいるのが注目されます。

 弊社会員の動向として注目されるのは、AICJ中学校や広島国際学院中学校など新興の私立共学校への受験者が増加していることです。弊社からの受験者も例年よりもかなり多く、しかも合格した場合も進路として選んでいます。また、崇徳中学校も共学化で注目され、難化しています。今年の弊社会員の受験者は少なかったものの、明らかに合格に向けて必要な学力レベルは上がっています。

難関校合格者の進路選択の様子

 男子私学の広島学院・修道の合格者数は残念ながら例年よりも少ない結果となりました。したがって、進路に選んだ受験生の数も減少気味です。広島学院に合格したものの、他校を進路に選んだ会員受験生14名の内訳は、広大附属6名、修道5名、県立広島3名でした。広大附属に合格した男子13名のうち、他校を進路に選んだのは6名で、その内訳は広島学院5名、修道1名でした。県立広島の男子合格者の歩留まりは例年になく高く、合格しながらも他校に進学した受験生は僅か2名でしたが、その内訳は広島学院1名、修道1名でした。

 女子私学の合格状況はほぼ例年通りでした。広大附属の歩留まりは相変わらず高く、女子会員合格者13名のうち他校を進路に選んだのは僅か1名で、進路は公立全寮制一貫校の広島叡智学園でした。清心に合格したものの他校を進路に選んだのは34名で、その内訳は広大附属10名、広島女学院11名(多くは専願合格者。同校は今年度より専願制度を復活させています)、市立中等教育4名、県立広島3名、AICJ1名、広島新庄1名、広島国際学院1名でした(進路未確認が若干名います)。県立広島に合格したものの、他校を進路に選択したのは10名で、その内訳は清心5名、市立中等教育3名、広大附属1名、広島叡智学園1名でした。

 

 以上、今年の弊社会員受験生の合格状況と進路選択状況を簡単にご紹介してみました。以前、修道の田原校長とオンラインの催しで弊社会員に向けたお話しをしていただいた際に、「ハビトゥス」の重要性について言及しておられました。昨年の入試結果報告ブログの末尾でそれをご紹介しましたが、それをここでもう一度ご紹介しておこうと思います。

 ハビトゥスとは、ラテン語に由来する言葉で、「無意識のレベルに達した習慣」といったような意味をもちます。勉強にたとえると、「やるべき勉強を後回しにすることが許せない、やらずにはいられない」といった具合に取り組むことを習慣化し、やるのが当たり前のレベルに浸透させておくことが大切だという意味でおっしゃったのだと思います。この習慣が身を助けてくれることになります。中学生になると、勉強の妨げとなる誘惑が無数にあります。中学高校生の本分は勉学ですから、それをきちんとやりこなすためには、バビトゥスを自らに取り込んでおくことが肝要です。弊社は会員のみなさんにこのハビトゥスが身につくよう指導してきました。その真価が、これから発揮されることを願っています。

 志望校に進学する夢が叶えば、あとが保障されるということは決してありません。受かったあとに変わりなく学び続けることが将来につながるのは疑いようがありません。これから受験する子どもたちにも、ハビトゥスを形成していくような受験生活を送っていただきたいですね。

 今回の記事が、来年以後に受験を控えておられるご家庭にとって、多少なりとも参考になれば幸いです。

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できる子はどこが違う? ~家庭教育で育むべき4つの資質~

12月 20th, 2023

 今年も残り少なくなりました。みなさんにとって、今年はどんな1年だったでしょうか。今春以降、勤務日数や業務体系などが変わったため、ブログを書く時間が確保しにくくなりました、申し訳なく思っていますが、時間が確保できたときには、できるだけ新しい記事を掲載するつもりです。今後ともよろしくお願いいたします。

 さて、わが子に対して「勉強のできる子になってほしい」と願う保護者はたくさんおられます。そのために何が必要でしょうか。多くの保護者は「どの学習塾に通わせるか」「どんな勉強を、いつ、どれだけやったらよいのか」など、勉強に直結する事柄に注意を向けがちです。無論、それは間違いではありません。ただし、勉強の成果は学習者たる子ども自身の内面の状態と深く関わっています。たとえば、知識を得ることに興味・関心が低い子どもに勉強の成果を期待するのは難しいものです。みなさんはお子さんの学習の条件整備として、どんなことに目配りしておられるでしょうか?

 学習活動を支える要素はいろいろありますが、それらを子どもに浸透させるために必須となるのが親の働きかけや配慮です。それも子どもの立ち居振る舞いや性格が定まる前の段階(低学年児童期まで)が重要です。子どもは小学校への入学をもって、学習の手段としての文字を正式に学び始めますが、これが一段落し、自分で勉強をして成果をあげられる態勢が整うのがだいたい3年生頃です。できるなら、この時期までに勉強のできる子になるための諸条件を整えておきたいものです。

 ただし、「具体的に何をしたらよいの?」と、戸惑うかたもおられるでしょう。そこで来たる1月19日(金)、新小学1~3年生をおもちの保護者を対象に、「‟できる子”を育む家庭教育とは!?」と題する催しを開催いたします。この催しでは、家庭教育が担う知育のなかで重要なものを4つに絞り、親がどう対処したらよいかを共に考えていきます。弊社の低学年講座についてご案内する時間も設けていますが、今回は参加者同士がテーマに沿って自由に現状を報告したり相談し合ったりできる時間をより多く設けています。親としての苦労を分かち合いながら、お子さんの知的成長を促すサポートのありかたについて、確かな指針と意欲をご提供できたなら幸いです。

 では、家庭の知育に関わる4つのポイントがどういうものかを、簡単にご紹介してみましょう。これらを話題として取り上げ、参加者同士の話し合いを交えながら、望ましい親の対処のありかたを共に考えていきます。そのうえで、弊社からまとめのアドバイスをさせていただきます。

家庭教育4つのポイント あなたのご家庭の現状は?

 上記の4つの話題について、みなさんのご家庭の現状を振り返ってみてください。もし興味をおもちになったなら、ぜひこの催しに参加ください。

 「なぜ学習塾が家庭教育に言及するのか」と、訝しく思われたかたもおありでしょう。これには相応の理由があります。低学年までの学習は、子育てと一体となるべきものであり、家庭での親子一緒の時間をどう過ごすかと学習成果には強い関連性があるからです。しかしながら、そういったことが公の場で語られる機会は稀なのではないでしょうか。特に、先々中学受験を視野に入れておられるご家庭の保護者という括りで家庭教育を論じるケースはほとんどありません。本催しは、似たような家庭環境をおもちの方々が集まり、テーマに基づいて現状や改善案を披露し合うよい機会になるでしょう。親には子育ての悩みや苦労を分かち合い励まし合う場が必要です。子育ての途中にある保護者の方々に元気や意欲を吹き込む催しになれば幸いです。

 受験生活において特に親を悩ませるのが、上図の④で生じる親子の葛藤でしょう。まだ行動規範が定まらない小学生の受験勉強ですから、親の期待に反して子どもは目先の欲求に流されることが少なくありません。そこで、「ちゃんと勉強しなさい!」と叱らざるを得ない。子どもはしぶしぶ従うものの、つぎの日はまた同じことをくり返す。このパターンに陥ると、受験勉強の空回り状態が続きがちです。ただしそのいっぽう、お子さんがやるべきことに向き合いがんばっているご家庭も少なからずあります。どこに秘訣があるのでしょう。問題が深刻化しないうちに一緒に解決法を考えてみませんか?

 低学年部門担当者には、「子どもたちにほんものの学力を身につけてほしい」という強い願いがあります。そのためには、保護者の理解や賛同の気持ちが欠かせないとも思っています。この催しでミニワークショップの時間をメインに据えたのは、「まずは知育に関する考えを保護者の方々と共有したい」と考えたからです。ぜひ参加してみてください。なお、参加方法については本ホームページの案内(12月27日掲載)でご確認していただきますようお願いいたします

 なお、定員は28名となっています。担当者一同、参加を心よりお待ちしています。

 

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「学習指導説明会」を開催しました! その2

11月 2nd, 2023

 前回は、10月27日(金)に実施した「学習指導説明会」のレポート(テーマの①と②)をお届けしました。今回は、当日お話ししたテーマの③と④についてご報告します。

テーマ③ 家庭学習研究社が実践する学習指導とは!?

 テーマの③は、家庭学習研究社の学習指導の柱となる4つの要素をご紹介し、それらの特徴や内容について校舎長4名が分担して保護者にご説明しました。筆者が話題を投げかけ、それを受けて校舎長がお話しするという形式で進めました。

 

オリジナル~1~ 指導カリキュラム

 まずは4つの柱のうち、「カリキュラム」について五日市校校舎長の三里がご説明しました。以下のようなごく簡単なカリキュラム進行の表をスライドでお見せし、4年生からの3年間の学習指導の展開についてお話ししました。

   弊社の中学受験指導は4年生からの3年間を基本としています。4年生から始める大きな理由の一つは算数の存在です。算数は、入試4教科で最も学校の学習内容と入試問題との難易度ギャップが大きいことで知られます。そこで、4年生から少しずつ学校の進度を先取りし、6年生の春に小学校課程の履修範囲を学び終えます。こうして、算数全般の基礎を固めたうえで入試問題との間にある大きなギャップを埋めていきます。このことを、五日市校校舎長の三里が独特のユーモアを交えながら保護者にご説明しました。

 弊社のカリキュラムやテキストは、広島の私学最高峰である広島学院やノートルダム清心、国立の広島大学附属への合格に照準を合わせています。ただし、県立広島や広島中等教育学校などの公立一貫校に行きたい受験生の数が増えています。そこで、公立一貫校対策をどのように行っているのかについいてもご説明しました。

 

オリジナル~2~ 教室での授業

 続いては、「授業」の意図や手法について東広島校校舎長の脇本がご説明しました。

 多くの進学塾では演習型の授業が行われています。しかし、弊社は家庭学習との連携で学力を伸ばしていく指導形態をとっているため、授業の位置づけも異なっています(上図参照)。そのことを弊社の算数指導のスペシャリストである脇本が簡潔にご説明しました。そのあと、授業の動画をご覧いただきました。発問する→考えさせる→手を挙げて発表させる→みんなの反応を引き出す→まとめる、などの流れがわかり易くコンパクトにまとめられており、「授業の様子がよくわかった」と、大変好評をいただきました。蛇足ですが、以前同種の動画をご覧になったおかあさんが、「子どもの頃、こういう授業を受けていたら私も算数が得意になっていただろうに!」と残念がっておられたことを思い出し、そのエピソードを筆者からご紹介しました。

 

 

オリジナル~3~ 「家庭学習」

 3つ目の柱は「家庭学習」です。こちらは広島校校舎長の高橋がご説明しました。高橋は、子どもたちのみならず保護者にも大変人気のある校舎長です。彼独特の説得力ある話しかたで、家庭学習の意図や子どもたちの取り組みなどについてわかりやすく話をしてくれました。「近年は保護者の学歴が高くなっており、それが仇となっている面があります。家庭学習を自立させるには、保護者の方々が過干渉にならないよう、うまく間合いを考えてくださることが大切です」といったようなことをお伝えしました。催しのアンケートには、この言葉についての感想が多く見られました。わかってはいても、ついつい言葉や手を出してしまうのが親というものです。「度が過ぎてはいけないんだ」ということを実感されたかたが多かったようです。

 

オリジナル~4~ テスト制度

 4つ目の柱である「テスト制度」については、己斐校校舎長の村上がお話ししました。村上は見た目が若々しくて30代に見えますが、キャリアはすでに25~26年のベテランです。誠実で丁寧な指導を旨とする彼らしく、几帳面な説明をしてくれました。村上は、2週間に一度実施される単元テストの結果が学習成果を検証する重要な情報源となること、同じ目標をもって学ぶ大勢の子どもが学力を競い合う体験が子どもに意気込みを与え、受験生としての意識を高めることなどをお伝えしました。

 学力を定着させるにあたって必須となるのは復習です。何を学び直すかの指針を得るうえで指針を与えてくれるのがテスト結果とともに提供される個別資料です。この資料の生かしかたもついても簡単にご説明しました。

 

テーマ④ 子どもたちの未来につながる受験指導を!

 最後は、催しの締めくくりとして設定したテーマですので、指導の具体的説明ではなく、4人の校舎長に家庭学習研究社の学習指導の前線に立っている立場から、お集まりいただいた保護者を元気づけるような話を提供してもらいました。小学生時代は、一人ひとりの人となりを築く大切な時期にあたります。受験準備のための勉強は楽ではありませんが、厳しく辛い日々の思い出だけが残るような体験はさせるべきではありません。このような考えは社に徹底しています。受験生活が大人になってからも懐かしく思い出せるようなら、その人の人生はおそらくよい歩みをたどっているに違いありません。そうした考えの一端を4人の校舎長の話を通じて感じ取っていただけたらという思いで話題を設定しました。

 

 経験上わかってはいましたが、こういった趣向のほうが話者の素顔にふれていただきやすいものです。受験生時代に担当していたお子さんが、先々どうなったかを紹介してもらった場面では、来場者の多くが笑顔で頷きながら聞いておられました。たとえば、授業の合間にタイムマシンのつくりかたを話して聞かせた男の子が、「自分もつくってみたい!」と目を輝かせていましたが、やがて有名大学の理工学部に進学し、真剣に研究に勤しんでいるそうです。また、「ボクは医者になる!」という目標をもつようになった男の子が、地元の国立大学の医学部に進学し、「ボクが〇〇市の人たちの健康を守るんだ!」と語っていた、などの話もありました。少年時代の夢が単なる夢で終わるのではなく、現実のものへと近づいていくこともあるのですね。お子さんの夢を大切に!

 

 4人の校舎長がそれぞれの個性を発揮し、おもしろい話を提供するこのコーナーは大変好評で、「もっと時間を割いてほしかった」という感想をいただいたほどでした。すべての予定が終了したあと、どの校舎長のもとにも保護者がお集まりになり、いろいろな話に花を咲かせておられました。校舎の垣根を取り払っての催しは、交通の便などの問題もあって企画段階で多少の迷いがありました。しかし、全校舎の会員保護者が参加くださり、盛況のうちに終了することができました。新規入会を検討くださっている保護者には、塾の雰囲気を知っていただくよい機会になったのではないかと思います。「次回はもっと内容に工夫を凝らし、喜んでいただける催しにしたい」という思いを強くしたしだいです。

 

家庭学で、子どもの輝く未来に向けた確かな土台を築きませんか!?

 

 

 

 

 

 

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