2010 年 5 月 のアーカイブ

2010夏期「入会ガイダンス」を各校で実施します

2010 年 5 月 31 日 月曜日

 もうすぐ夏の講座の会員募集の時期がやってきます。例年、この時期には弊社の各校で「入会ガイダンス」という行事を行っています。校舎責任者が、中学受験専門塾としての弊社がどのような方針のもと、どのような指導を行っているかについて詳しくご説明しますので、興味をおもちになったらぜひご参加ください。

 各校の入会ガイダンスの日程は以下の通りです。

  2010年夏期ガイダンス日程

  第1回 実施日時 第2回 実施日時
三篠校  6月12日(土)
    14:00~15:10
 6月26日(土)
    14:00~15:10
己斐校  6月12日(土)
    10:30~11:40
 6月26日(土)
    10:30~11:40
広島校  6月12日(土)
    14:00~15:10
 6月26日(土)
    14:00~15:10
五日市校  6月12日(土)
    14:00~15:10
 6月26日(土)
    14:00~15:10
東広島校  6月12日(土)
    14:00~15:10
 6月25日(金)
    14:00~15:10
呉校  6月14日(月)~30日(水)
   申込制・個別対応 お一人30分
  1. ※各校とも、7月上旬に第3回目の入会ガイダンスを実施する予定です。

 なお、呉校のみ電話申込制で「中学受験ガイダンス」という呼称の行事を行います。呉は、他地域と比べて中学受験者数が少ないため、個々のご家庭のお知りになりたいことにお答えする形での行事形態にしています。行事としての趣旨はほぼ同じです。

 これからお子さんの受験生活のスタートを視野に入れておられるご家庭にとって、第一の関門が「学習塾選び」と言ってよいでしょう。なぜなら、学習塾それぞれに学力のつけかたが違っています。通学の日数も違えば、テキストも何を使うかで学習のしかたやレベルも違ってきます。塾での指導と家庭勉強のバランスのとりかたも、塾それぞれに違います。

 たとえば極端な話、「家での受験勉強は必要ありません。すべて塾が面倒をみます」といったような宣伝をしている学習塾もあるようです。一方、弊社のように「家庭で勉強する姿勢を築き、自学自習のできる子どもにすることをめざします」という塾もあります。

 ご家庭におかれては、どういうカラーの、どういう指導方法を採る塾が望ましいかを比較検討し、親の考えや子どもに合った塾をお選びになればよいと思います。家が近いかどうかも気にされるご家庭もあるでしょう。塾を選ぶために必要な視点については、以前このブログでもかなり詳しく書いたことがあります。それを参考にしていただくのもよいかもしれません。

 中学受験指導についての弊社の考えについては、これまで何度もこのブログで書きました。そこで改めて詳しく書くことはいたしませんが、簡単に申し上げると、「中学受験のための勉強を通じて、子どもの自立をめざす」ということを基本においています。

 小学生の子どもの受験ですから、正直言って何もかもが大人の目から見ると未熟です。しかし、それでいて短期間に目を見張るような成長を遂げる年齢期でもあります。つい1、2年前までは頼りなさばかりが目についた子どもも、わずかの間に様変わりしていることも珍しくありません。

 私たちは、そんな時期だからこそ自立した勉強ができるよう子どもを鍛え、自ら学ぶ姿勢を築いたうえで志望校への進学の夢を果たすべきだと考えています。また、子どもたちがめざす中・高一貫の進学校では、自立した勉強を高いレベルでやり遂げていくことが要請されています。大人に何をやったらいいかを指示され、教えてもらわなければ勉強できないようでは、たちまち行き詰まってしまいます。

 このような環境の学校に進学する子どもは、人間として自立し、気概をもって学ぶ姿勢をもっていなければなりません。よく、「私学に進学したが落ちこぼれた」という生徒さんの話を耳にしますが、それは能力が足りなかったせいではなく、自ら学ぶ姿勢を育てずに、中学校に合格する知識や技能を大人に授けてもらう、他者依存の勉強で中学校に進学したからです。

 入会ガイダンスでは、こうした弊社の考えをお伝えするとともに、小学生が自学自習ができるよう、どのように指導し、どうやって中学受験での合格を実現するかについて、詳しくご説明します。この催しは、あくまで情報収集の場ですから、入会を勧誘するようなことはありません。予約や申込の必要もありませんので、興味をおもちになったらならお気軽にお越しください。

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カテゴリー: 中学受験, 入塾について, 家庭学習研究社の理念, 行事のお知らせ

子どものほほえましい間違いをどう受け取る?

2010 年 5 月 27 日 木曜日

 国語の学習指導の一環として、多くの指導担当者は子どもにノートを提出させています。家庭での地道な取り組みの積み重ねが国語力をつけるうえで欠かせませんし、上手なノートのまとめかたを指導することで、学習効果を高めることができるからです。

 ノートを見る限り、どの子どもも熱心に勉強しています。「ああ、これだけのノートにするには相当時間がかかっているぞ」と、感心することもしょっちゅうです。ほんとうに子どもたちはよく勉強しています。

 ところが、どんなに一生懸命勉強しても、それが空回りしているのか、なかなか成績に進歩が見られない子どもも少なくありません。そういう子どものノートを見ると、かわいらしい間違い、勘違いがたくさんあり、思わずほほえんでしまいますが、同時に「こんな状態を抜け出すにはどう導いてあげればよいのか」と、頭を抱えてしまいます。

 たとえば、文章中の「ギブ・アンド・テイク」の意味調べをした子どもが、その意味を「途中であきらめること」と書いていました。「えっ、どういうことだろう」と一瞬不思議に思いましたが、すぐさま、「ギブ・アップ」を引いたのだということに気づきました。「ギブ」から辞書をめくって探すうちに、「ギブ・アップ」のほうが先に目につき、それと取り違えってしまったのでしょう。それにしても、文脈から「変だ」と思わなかったのでしょうか。

 意味の取り違えは、小学生の子どもにはたくさん見られます。「くいる(悔いる)」を辞書で調べた子どもが、その意味を「頭がおかしくなること」と書いていました。これは「くるう(狂う)」と勘違いしたのですね。「目がこえている」という言葉の意味をノートに書いていた子どもがいましたが、「目がふくれること」とありました。これは、どうやって調べたのでしょうか。「うーん・・・・・・」と、思わず唸ってしまいました。

 物語の文章中の子どものセリフに、「かしてよ」というのがあり、その部分が漢字の書き取り問題の対象となっていました。ある6年生の男の子は、答えを「借してよ」と誤答していました。おそらく、借りる立場に立って考えたのでしょう。だから、「貸してよ」でなく「借してよ」となったのです。相手に「貸す」という行為を依頼しているという発想に至らなかったための間違いですね。

 「おかあさんは腕のよいビヨウシです」のカタカナを漢字に改める問題では、「病死」と答えている子どもがいました。授業中、思わずその子どもに「こら!勝手におかあさんを殺しちゃ、イカン!」と叱りました。もちろんにっこり笑って。また、「フロク」を漢字に直す書き取りでは「袋」という誤答もありました。

 子どもの語彙は、大人のそれの何分の一かぐらいのもの。貧しい語彙を頭に置いて文章を読むのですから、似たような全く違う言葉ととらえ違いをすることがよくあります。また、読み進めながら同時並行して自分の語彙と照合して意味を想像する脳機能が十分に発達していないことも、原因の一つかもしれません。

 もしもわが子がこうした間違いをしでかしたとしたらどうでしょう。「ほほえましい間違いだ」とにっこりしていられるでしょうか。なかには歯ぎしりする思いで、「いったいどうなっているの!」「何でこんな間違いをするの!」と叱ってしまうおかあさんもおられるのではないでしょうか。

 こういう間違いは、決して能力のせいではありません。事実、今挙げた間違いのうちのいくつかは、トップクラスの成績を上げていたお子さんによるものでした。ただし、国語だけは苦手にしていた点で共通していました。

 筆者ならずとも気づくことでしょうが、これはどうやら子どもの内面の発達、思考レベルの発達の問題のようです。まだ大人のようにたくさんの語彙をもたないため、たくさんある語彙のなかから適切な意味を推測する大人のような思考ができません。また、言葉そのものの意味が抽象的である場合、より子どもにとっては理解困難になります。

 この問題を解決するにはどうしたらよいでしょうか。それについては、現在全校舎で実施している「おかあさん塾」(4・5年部)の第3回でお話しする予定です。この記事について興味をおもちになった方は、行事終了後に内容をかいつまんでご報告いたしますので、それをお読みください。。

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カテゴリー: アドバイス, 勉強の仕方, 子どもの発達

夏休みの講座について

2010 年 5 月 24 日 月曜日

 早いもので、2010年度の前期講座も半分以上の日程を消化しました。もうしばらくすると、夏の講座から新規に入会していただく会員の募集活動が始まります。

 今年の夏休みの講座の日程は、次のようになっています。

  1. 1)4・5年部「夏期講座」
       7月24日(土)~8月11日(水)  14日間
  2. 2)4・5年部「夏期集中特訓」
       8月18日(水)~26日(木)    8日間
  3. 3)6年部「中学受験夏期講習」
       7月22日(木)~8月12日(木)  19日間
  4. 4)6年部「夏期集中特訓」
       8月18日(水)~26日(木)    8日間

 このように、各学年とも夏休みの講座は二種類あります。「同一学年にどうして二種類の講座があるのか」といぶかしく思われたでしょうか。そこで、少し講座の意図や内容の違いについてご説明しておきましょう。これから中学受験対策を始めるご家庭には、どの講座から受講すればよいのかを考えるうえで参考になると思います。また、会員のご家庭におかれても、それぞれの講座の主旨の違いが明確になり、お子さんの受験準備に向けた学力形成の流れがよりわかりやすくなることでしょう。

 4・5年部の「夏期講座」は、この春からの通常講座(前期講座)の学習を引き継いで進めていきます。つまり、この講座が弊社の学習指導の中心的役割を担っています。秋には後期講座が始まりますが、夏期講座で学習した範囲からバトンタッチし、さらに先へと進めていきます。

 下表をごらんください。4年部開講から6年部の4月末までが「基礎力養成期」にあたります。ここまでで小学校の全履修課程を学び終えるとともに、中学入試に向けた基礎学力の育成指導を完成させます。夏期講座はこの流れに沿った指導をしています。なお、4年生いっぱいまでは算数と国語の二教科を指導(夏期講座では、理科・社会の基本事項を押さえた指導も行います)し、5年部開始時から理科と社会が加わります。

 下表である程度おわかりいただけると思いますが、4年部では算数が学校の教科書の進度よりもかなり進んでいます。5年部ではさらに大幅に進み、6年生の教科書範囲を学習しています。

 6年部における夏休みのメイン講座は、「中学受験夏期講習」です。4・5年部の講座と呼称が違うのは、すでに教科書の全範囲を学び終えた段階にあり、夏休みのこの講座は、入試全範囲を一通り学ぶ独立した講座だからです。

家庭学習研究社の学習ステップ

  「夏期集中特訓」は、いずれの学年も講義形式ではなく、演習形式の指導形態を採ります。4・5年部の「夏期集中特訓」は、前期講座と夏期講座で学んだ範囲のうち、特に重要な事項の理解を深め、定着させるための講座です。演習形式ですから、重要問題をテスト形式で解き、それをもとに解説講義をしていきます。6年部の「夏期集中特訓」では、広島の中学入試で出題された問題も含め、いよいよ入試問題への取り組みを開始します。

 これから入会をされる場合、どなたにも「夏期講座」「中学受験夏期講習」の受講から始めることをお薦めしています。特に4・5年生の「夏期講座」の場合、すでに会員として通学しているお子さんも、これから入会されるお子さんも、新規に登場する単元を一から学んでいきます。入会したてのお子さんも、授業をしっかりと聴き、復習をまじめにやっていけば、ついていくことができるでしょう。

 一方の「夏期集中特訓」は、既習の広い範囲から出題される問題に取り組んでいくことになります。また、内容もかなり高度で、これから受験勉強を始めるお子さんには負担が大きいと言えます。ですから、4・5年生の場合、まずは「夏期講座」を受講してみることをお薦めします。

 いずれにせよ、夏休みから受験勉強を始めるお子さんにとって、進んでいる進度をどう取り戻すかが問題となります。そのための勉強は楽とは言えませんが、受験勉強をある程度やってから、対策を考えていけば大丈夫です。例年多くの子どもたちが夏休みから受験勉強を始め、成果をあげています。指導担当者も、お子さんの状況を見てアドバイスしていきますから、心配はいりません。

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カテゴリー: 中学受験, 家庭学習研究社の特徴, 行事のお知らせ

優秀な親をもつと子どもはつらい?

2010 年 5 月 20 日 木曜日

 一般に、「親が優秀で高学歴だと、子どもも得をするだろう」と思われがちです。しかし、子どもにとってはむしろつらいのではないでしょうか。「こんなこともできないの?」「まだわからないの!?」と、解けないわが子の気持ちを理解せず、厳しい言葉を浴びせるおとうさんおかあさんもおられるようです。

 最近のおとうさんおかあさんは、概して高学歴です。そういう親は、自分が子ども時代に苦もなくできた(できたと記憶している)ことをわが子ができないでいると、すぐにイライラしてしまいます。

 なかには、「いったい誰に似たんだろう」「私の子じゃないみたい」など、わが子の心に刃を突きつけるようなことをおっしゃる人もおられると聞きます。親が優秀だと、ただでさえ子どもはプレッシャーを感じています。そこへダメ出しをされるのですから、子どもはますます意気消沈し、やる気も自信も失ってしまいます。

 親が優秀だと、子どもはその遺伝子をもらうので必ず優秀になるのでしょうか。脳科学者は、「そうとは言えない」と語っています。なぜなら、せっかく親から受け継いだ才能や資質も、それらが芽吹き育つような働きかけや環境を得なければいつまで経っても開花を見ることができないのです。

 ある年のことです、担当クラスの6年生の女の子が浮かぬ顔をしていました。
「どうしたの? 何かあったのかな?」
「うちでは私だけ『バカだ』と言われるんです」
「えっ、ご両親がきみにそんなことをおっしゃるの?」
「うちは、父親が○○大学、母親が○○大学を出ていて、私のきょうだいもみな勉強ができます。できないのは、うちでは私だけなんです」

 ご両親は、国立大学のなかでも頂点に位置する、東西のトップ大学を出ておられるようでした。しかし、どんなにご両親が優秀でも、わが子をバカ呼ばわりしたのでは、子どもは勉強のできる人間にはなりません。失礼ながら親としては落第です。彼女のそのときのさびしく悲しそうな表情が、今も忘れられません。

 彼女は、算数が苦手でしたが、国語の実力はたいしたもので、文章を朗読させるとクラスでもピカいちの存在でした。彼女が表情豊かに大人のような滑らかさで物語を読むと、クラスのみんなが聞き惚れるほどでした。「将来は、そっちのほうで大成するのではないか」と密かに思っていたほどです。

 そんな彼女の受験校はというと、何と親の意向で国立の中学校1校でした。「そんなむごいことを・・・・・・」と思いましたが、すでに決まったことでどうしようもありません。

 そうなると、入試日には何としても応援してあげなければなりません。ところが入試当日、迂闊にも交通渋滞に巻き込まれてしまいました。数十分遅れ、やっとの思いで校門前に辿り着くと、筆者に気づいた同僚が、「○○さんが、先生を捜していましたよ」と、教えてくれました。慌ててあたりを探しましたが、彼女は見つかりません。そして、入試の始まる時間になってしまいました。

 そのまま彼女の顔を見ることは二度とありませんでした。彼女のたった一回の受験に立ち会い、励ましてあげることができなかったのです。いまだに悔やまれてなりません。

 ひょっとしたら、彼女のおとうさんおかあさんは勉強以外の面では優しく愛情深く接しておられたのかもしれません。しかしながら、小学生の頃に一番配慮すべきは「今どれだけ勉強ができるか」よりも「勉強に向かう意欲を築く」ことであり、「自分の可能性を信じる気持ち」を育てることです。もしも彼女のおとうさんおかあさんが、「おまえは国語の才能に恵まれているようだね」などと、彼女のよいところをほめたたえてあげたなら、彼女はどんなにか気持ちが救われたでしょう。おそらく、筆者が目にしたような悲しそうな表情を浮かべることはなかったはずです。

 親が優秀であるのは、本来ならアドバンテージであるはずです。しかしながら、優秀な親ほど「どうしたらわが子が優秀な人間に育つか」ということに、無頓着な傾向もあるように思います。親は、子どもの頭脳形成のプロセスの重要性に気づき、愛情深い手助けや働きかけをしてやることが必要なのではないでしょうか。

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カテゴリー: アドバイス, 中学受験, 子育てについて

全校舎で「おかあさん塾」を開講します

2010 年 5 月 17 日 月曜日

 5月末頃から7月初旬にかけて、弊社の全ての校舎で「おかあさん塾」という呼称の催しを開催することになりました。対象となるのは、4・5年部の会員家庭のおかあさんです。

 「おかあさん塾」は、文字通りおかあさんのための塾です。ただし、おかあさんにお子さんの学習内容をお伝えしたり、勉強のコーチのしかたを伝授したりするわけではありません。おかあさん塾の趣旨は、「家庭と学習塾とが密に連携し、子どもたちの自立学習の確立に向けて応援の体制を築こう」というものです。

 小学生4~5年生の子どもは、いっぱしのことを言うものの、やることが長続きしないことが多いものです。勉強は楽しいばかりではありませんし、「勉強しよう」と思うだけで精神的な負荷がかかるお子さんもいます。また、遊びたい盛りの子どもですし、友だち付き合いにこだわる年齢に達しています。

 そんなこんなで、「勉強しなければ」と思っても、なかなか集中して勉強できなかったり、気分がふらついたりすることが多いものです。親はそういったわが子の様子を黙って見ていられなくなり、いろいろ注意をしたり叱ったりすることになるのですが、それが却って逆効果になり、子どもの反抗にあうことも珍しくありません。

 「わが子がしっかりと勉強と向き合い、意欲的に学ぶ受験生活を築くにはどうしたらよいだろうか」と、思案しておられるおかあさんは少なくないことでしょう。

 そんなおかあさんがたを励まし、勇気づけるとともに、おかあさん方の悩みを解消するための具体的方策を考えていく場があれば、状況は随分変わってくるかもしれません。ザッと申し上げると、そういう発想から生まれた行事です。

 おかあさん塾は、1回きりでは尻切れトンボになってしまい、十分な成果をあげるのは難しいと考えました。さりとて、忙しい毎日を送っておられる大人にお集まりいただくのですから、そうそう度々というわけにもいきません。そこで、とりあえず夏休み前までに、2週間に1回の割合で、合計3回実施することにしました。各回の内容は、だいたい次のようになっています。

第1回 「中学受験生家庭の学習環境づくり」
              ~家庭の役割・学習塾の役割~

  1. 1.なぜ自立した勉強で合格をめざすことが必要なのか
  2. 2.学習指導にあたっている学習塾が担う役割
  3. 3.おかあさん方にお願いしたいサポート

第2回 「子どもの“学び”はおかあさん次第」
              ~親が変われば子どもも変わる~

  1. 1.親はどういう期待を子どもに向けるべきか
  2. 2.子どもはおかあさんを通じて多くのことを学んでいる。
  3. 3.子どもの前向きな学びの姿勢を引き出すには

第3回 「9歳・10歳の節を乗り越える」 
              ~内面の発達が入試突破の鍵~

  1. 1.子どもの思考から大人の思考へ
  2. 2.子どもの知力は家庭の会話で育つ
  3. 3.読書と語彙力・読解力の密接な繋がり

 この催しの進行は、主として参加されたおかあさんがたのお子さんを指導している者が行う予定です。いつもお子さんと接している担当者が話をすることで、より親近感が生まれますし、催しの最中で感じたこと耳にしたことを、指導の現場に反映させることもできるでしょう。

 また、ワークショップ的な要素を採り入れ、おかあさん同士で話し合う場面を設けていますので、参加者が互いに仲良くなり、同じ悩みを共有しながら励まし合うこともできます。

 受験塾にはいろいろなタイプがあります。弊社は、塾で鍛える時間を長く設け、塾での勉強で受験に合格させるといったスタイルを採りません。そういう方法は、入試合格までを保障することしかできません。大事なのはその先ではないでしょうか。中学受験後の人生は長いのです。中学受験後に子どもたちを待ち受ける学校環境や、これから先歩んでいく学問の世界を見通し、将来の大成につながる勉強によって合格できるよう子どもたちを導いていくことが重要なのだと私たちは考えています。

 しかしながら、何事も将来的視点に立って行動するのは忍耐や辛抱のいることです。殊に、子どもの勉強のサポートのような、親にすればじれったく思惑通りに運ばない事柄はストレスとの闘いになりがちです。うまくやっていくには、新鮮な気持ちを失わないこと、常に一貫した姿勢を保つこと、確かな方法論をもつことが必要になってきます。当然ですが、一人で苦労せずに、他者から元気や指針をもらうことが重要になってきます。おかあさん塾がその役割を少しでも果たせたなら、これに勝る喜びはありません。

 「受かりさえすれば後は何とかなるだろう」――こういった期待で子どもを無理やり鍛える形で入試を突破しても、子どものためにはなりません。子ども不在の勉強で、得られるものは一つもないといっても過言ではありません。辛抱強く子どもの成長を引き出し、どんなときにも自分なりの努力で局面を打開できるような人間に育てることが、成長期にある子どもを真に鍛えるということではないでしょうか。

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