Archive for 4月 26th, 2010

中学受験で必要な親の応援と関わり  ~その2~

月曜日, 4月 26th, 2010

 中・高一貫の進学校は、学力を伸ばすには恵まれた環境です。しかし、優秀な生徒ばかりの集団内では競争原理が強く働きます。勉強で後手に回ると、精神的につらい状況に追いやられます。したがって、親(無論、学習塾も)はこの点も視野に入れて受験対策のありかたを検討する必要があります。

 前回は、それへの対策として自立した勉強のできる態勢を築いておくことをご提案しました。今回は、前回に引き続きそのことについて書いてみます。

3)子どもの実行力を引き出す

 誰でもはじめは張り切ってがんばるものです。計画を立てたなら、しばらくはそれを実行します。しかし、多くの場合長続きしません。なぜでしょうか。原因は人それぞれかもしれませんが、気持ちの張りを長く維持するのは人間にとって難しいことなのでしょう。初志を長い期間貫徹できる人間など、ほとんどいないのではないでしょうか。

 そこで考えたいのが学習の“習慣化”です。「さあ勉強するぞ!」と自分に命じなくとも、時間になったら自然と体が机に向かうようになる。これなら長続きします。この習慣化さえうまく行けば、勉強は間違いなく軌道に乗り、自立勉強の態勢を確立するのが随分楽になります。

 この習慣化の過程においては、親の助けが必要です。子どもが計画通り勉強できるよう後押しするのです。では、どんなことをすればよいのでしょう。

 先に書いたように、子どもには将来の目標を念頭において努力を継続するということはまだ期待できません。毎回毎回の勉強に、何らかの働きかけをしてやることも必要です。

  1.  ・勉強の時間になったら、さりげなく気づかせる(「勉強しなさい」とは言わない)。
  2.  ・ときどき、「やってるね」などと声をかけて励ます(集中しているようなら必要なし)。
  3.  ・わからないでいるようなら、「どれどれ」と、ヒント程度は与えてやる(ただし、頼らせてはいけない)。
  4.  ・最後までやりきったなら、大いに喜んでやり、ほめてやる。
  5.  ・塾の勉強の場合、4年生ぐらいまではやり終えた問題の○つけをしてやる(弊社ではそれを親にお願いしています)。
  6.  ・間違えていても叱らない。

 親は子どもの勉強に関心を寄せるべきです。それでいて、勉強の内容には深入りせず、あくまで子ども自身のがんばりを期待する。そして、がんばったときにはすかさずほめてやる。そういう後押しをしているうちに、子どもは徐々に親が見ていなくても自分へのこだわりとして勉強するようになります。そして、体が命じたかのように自然と必ず机に向かうようになっていきます。そこまでが大変なのですが、ここをうまく乗り越えればあとが随分楽になります。

3)子どもに自信を植えつける

 子どもがやるべきことを実行したなら、親はどういう行動にでるべきでしょうか。大抵の親御さんは「ほめてやります」とお答えになります。ところが、「がんばったら親は必ずほめてくれる」と感じている子どもは意外に少ないものです。

 どうしてでしょうか。筆者の経験から言えることは、「ちゃんとやっていたら」とか「がんばりが成績に反映されてきたら」という“但し書き”がついている場合が多いようです。先ほど、「親は子どもの勉強に関心を寄せるべきだ」と書きましたが、多くの場合成績という結果に関心を寄せておられるのではないでしょうか。これでは子どもは「親にほめられている」とは思いません。

 指導担当者から見ると、かなりの能力の持ち主なのに、勉強ぶりに活気を欠いている子どもがいます。すべては当てはまらないとは思いますが、こういう子どもは親に成績で評価されているケースが多いようです。

 少々がんばっても親は喜ぶどころか、「まだまだ、こんなんじゃめざす中学校には受からない」「もっとがんばって、成績をあげなきゃ」などとハッパをかけられると、子どもは精神的に辛い状況に陥りますし、何よりも自分に自信がもてません。できるなら、子どもの努力をほめてあげてください。子どもに自信が生まれるとしたら、自分自身でものごとをやり遂げたり、親にがんばりを認めてもらったりしたときです。この二つが同時にあったなら、それこそ子どもは大いに気持ちを高ぶらせ、自分に自信を深めることでしょう。

 最後に、お子さんを弊社の教室(あるいはいずれかの塾)に通わせておられるご家庭へ。子どもに自信をもたせること、子どもを自立させることに関して、お願いしたいことがあります。子どもがわからないでいるとき、過剰なヒントを与えたり、教えてしまったりすることはできるだけ避けてください。そして、「勇気を出して先生に質問してごらん」と、促していただけないでしょうか。

 わからないことがあったなら先生に質問する。そしてあくまでも自分で解決する(指導担当者は、解き方を教えません。考え方を導きます)。そういう流れができたなら、子どもにとって大きな自信になります。そして、自立した学びの姿勢をより強固なものにしていきます。親の手を借りずに自分で解決することこそ、自分のプライドを高め、親を乗り越えていくだけのエネルギーを自らに貯えていくいちばんの方法なのです。

LINEで送る
Share on Facebook
Pocket

Posted in 中学受験, 子育てについて, 家庭での教育