2016 年 10 月 のアーカイブ

「ご褒美」が子どものやる気に与える影響について

2016 年 10 月 31 日 月曜日

 いくら言っても子どもが勉強しないとき、皆さんはどのように働きかけられているでしょうか。
 ほめたり叱ったり、お子さんの性格やそのときの状況などで対応はそれぞれですが、ついやってしまいがちなのが「頑張ったら、○○買ってあげる」という方法。今回は、この「褒美を与えて頑張らせる」ことについて少し考えてみたいと思います。

 褒美や報酬を与えることが、モチベーションにどのような影響を与えるのかという点に関して、デシ(E.L.Deci)という心理学者が行った有名な実験があります。

 当時流行していた「ソーマキューブ」というパズルが好きな学生達を集めて、
➀「普段どおりパズルに取り組み続ける(報酬なし)」グループ
➁「パズルの完成ごとに報酬を支払う→途中からは報酬なし」グループ
の2つに分け、しばらくパズルに取り組ませた後、8分間の休憩中の行動を別室からこっそり観察、比較する・・・という実験です。

 さて、結果はどのようになったと思われますか?

 休憩中はどのように過ごしてもよいとされていたにもかかわらず、➀の「パズルに取り組み続ける」グループの学生は、休憩時間になっても、大半の学生が夢中になってパズルに取り組み続けました。元からこのパズルが好きで、普段からやり続けていたものですから、自由な時間であっても取り組み続けるのは当然のことかもしれませんね。
 これに対し、②の「一度報酬を与え、その後は報酬なし」のグループでは、報酬をもらえなくなってから休憩時間を迎えると、多くの学生がパズル以外のことをして過ごすようになったといいます。実験前には夢中になっていたはずのパズルを手にする学生は激減し、雑誌を読んだり他の娯楽で時間を費やしたりするようになりました。
 この結果が示しているのは、もともと興味をもっていた活動に対して一度何らかの見返り(褒美や報酬)を与えてしまうと、その活動への根本的な意欲や関心を低下させてしまう、ということ。この実験は、当時の「報酬はモチベーションを高める」という常識を覆すものとして、大きな衝撃を与えたといわれています。

 この実験結果は、勉強に向かう子どもの姿勢にも通じるものです。「ここの単元、ちょっと面白いな」「この前の授業で先生が面白そうなこと言ってたな」と感じているところに、「次のテストで80点以上取ったら、○○円あげるからね」という褒美を示したとしたら、子どもの気持ちはどう変化するでしょうか。
 おそらく、それまで純粋に勉強に向かっていた興味・関心が、褒美をもらうことへの興味にすり替わり、勉強をすることが褒美をもらうための手段に変わるはずです。一時的に机に向かうとは思いますが、自主的に「勉強しよう」という意欲を低下させることになるのは、先程の実験結果が示しているとおりです。

 加えて、「テストで上位20位までに入ったら、○○円あげる」「志望校に合格したら、何でも買ってあげる」などの褒美の与え方をすると、大抵の子どもはその目的までの最短ルートを探そうとするものです。
 本来であれば、地道な毎日の努力によって確かな学力をつけてほしいと親は願います。上位20位に入ったり志望校に入学できたりすれば、あとはどうにでもなれと思うお母さんなどいるはずがありません。ところが、このような褒美が手に入るとわかれば、「当日のテストに出題されなくても、努力した分だけこの先の自分の力になる」とは考えず、「できるだけ少ない勉強でギリギリ80点を取るにはどうするか」を考える子の方が圧倒的に多くなります。なぜなら、勉強することの目的が、勉強そのものや志望校合格・入学などではなく、その結果から得られる金品をいかに効率よく手に入れるかにすり替わるからです。

 

 161031ここまでは、安易に褒美を与えることがモチベーション低下を招くことについてご説明しました。・・・とはいえ、「わが子の現状を考えると、褒美を示してでも机に向かわせないことには始まらない」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。どうしてもその方法を選択される場合は、できるだけ悪影響が少なくなるよう、「与え方」に少し工夫をしてみてはいかがでしょうか。

 買ってきたものを単にポンと渡したり、お金を渡して「これで買っておいで」と本人任せにしたりするのは×。これでは、テスト結果への対価として金品を与えているに過ぎません。金品の褒美や報酬には、高価なものであればあるほど高い依存性があります。いくら良い結果を出したとしても、むやみに金品を与えていると子どもは「次はもっと高額のものを・・・」と考えるようになり、勉強の目的が完全にすりかわってしまいます。

 まず基本的な評価の姿勢として、結果だけ見て判断するのではなく、努力の過程を評価するようにしてください。普段の学習の様子を見守り、「今回の単元は難しい内容だったのに、毎日頑張ってたね」と、その努力に対してささやかなご褒美(高価なものでなくてOK)をあげる方が、先につながっていくはずです。
 例えば「前に行きたがってたサッカーの観戦に、来週一緒に行こう」とか、「明日一緒にケーキ屋さんに行ってみようよ」などと、与える側の親が一緒になって動く姿勢を示すようにしてください。そうすれば、そこには単なる金品の受け渡しではなく、渡す親の気持ちも含まれることになります。一見、ものを与えるという点では同じようにも思えますが、この「親の気持ちがこもっている」という点が重要なのです。
 小学生の学習意欲に関する調査結果によると、どの学年であっても「親の期待」に関する事項が上位を占めています。つまり、お母さん・お父さんが自分のことを考えてくれているという点を、子どもが感じられるということに大きな意味があるわけです。ですから、評価の仕方や褒美の渡し方にも、そこに親の気持ちを感じ取れるような工夫をしてみてください。それによって、ご褒美が子どものモチベーションを低下させるような危険性を低減させてくれるはずです。

 理想としては、「学んで理解する(行為)→やりがいを得られる新たな課題をもらう(報酬)→また学んで理解する→・・・」というサイクルを築くことです。つまり「勉強のご褒美は、次の学習課題」ということですね。自学自習の学習姿勢を確立させている子ども達のほとんどは、この「もっと難しい問題を解いてみたい」という気持ちを胸の内に育んでいるものです。
 できることなら、この「勉強のご褒美は勉強」の状態を目指したいところ。ただ、その前段階として、ご褒美を一つのきっかけにしたいのであれば、以上のような点を考えた上で工夫をされてみてはいかがでしょうか。

(butsuen)

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カテゴリー: 勉強について, 家庭での教育, 小学1~3年生向け

中学受験生の親として見失いたくない視点

2016 年 10 月 24 日 月曜日

 まもなく2016年度の冬期講座、2017年度の前期講座の会員募集を開始いたします。これから中学受験準備のための塾通いを検討されるご家庭におかれては、ぜひ弊社の各校舎への通学をご検討いただきますようご案内申し上げます。

 会員募集に関する情報は、11月6日(日)の新聞折り込みチラシでお知らせします。HPに詳細を掲示するのは5日(土)の夕方ごろの予定です。これまでお問い合わせや資料請求等、ご連絡をいただいているご家庭には、11月7~8日頃までに入会案内の資料を送付いたします。

 さて、今回はこれから受験準備の生活が始まるご家庭、今受験生活を送っておられるご家庭の保護者の方々、特におかあさんにお願いしたいことについて書いてみようと思います。

 わが子に中学受験をさせようという親は、間違いなく教育熱心であり、またわが子によい人生、知的な人生を送ってほしいと願っておられる方々だと思います。そこには、親としての大きな期待や愛情があるのは間違いありません。

 しかしながら、受験生自身はまだ小学生であり、中学を受験する意味をある程度わかっていたとしても、将来までを見通した高いレベルの計画性や戦略性の伴った勉強ができるまでには至っていません。むしろ、親の目からはやるべきことを疎かにしたり、ちゃらんぽらんな勉強に終始したりしているようにしか見えないことが多いものです。

 また、取り組みの成果を検証しながらより高いレベルをめざすのが進学塾での勉強です。そのためにテストが定期的に繰り返されるわけですが、全員が同じ目標をめざす集団ですから、普通にがんばっても成績はなかなか上がらないものです。常によい成績をあげるお子さんは少数であり、順風満帆に受験生活を終えるお子さんはほとんどいません。

 中学受験対策の開始にあたっては、以上のような小学生の受験勉強ゆえのもどかしさが親に降りかかってくることを踏まえ、「いかにして辛抱強くわが子のがんばりを引き出すかが、親にとっ重要なことなのだ」「どんな状況に至っても、わが子にとっての最善の応援団であり続けるのだ」という気持ちを忘れないようにしていただきたいと存じます。そのことを、スタートラインに立つ今胸に留めておいていただければ、きっとお子さんの様々な予期せぬ状況にも対処できることでしょう。

 わが子が思うように勉強してくれないとき、叱るのは当然のことです。ただし、闇雲に感情を剥き出しにして叱っても決して子どもはよくなりません。むしろ、やる気喪失の原因になりかねません。また、子どもの自信やプライドを揺るがせ、前向きさを失わせる恐れもあります。そして、筆者が最も懸念するのは、他の何よりも大切な親子の絆が逆に弱まってしまうことです。親子関係は受験ごときで弱まるものではないようにも思えますが、受験勉強で常に親に叱られたり否定されたりした記憶は、ずっと子どもの心の片隅に残ります。それはあってはならないことではないでしょうか。

 今回は、ネガティブな視点に立った話をお伝えしてしまいました。お許しください。ただし、みなさんがもしもわが子に対し、常に愛情深く忍耐強く子どもの可能性を信じてバックアップされたなら、これまで述べたこととは全く逆の、すばらしい親子関係が築かれることでしょう。やる気喪失に見えるときも、成績が不安定な状態に陥ったときも、「何かきっと理由があるはずだ」と冷静さを失わず、わが子と向き合って話し合い、問題解決に向けて応援してあげてください。そういう親のもとで受験を乗り切った子どもは、受験結果も総じて良好ですが、それ以上に大きな宝物を得ることができます。20161024a

 その結果、親への“信頼と尊敬の気持ち”や“感謝の気持ち”がずっと残り、半永久的に良好な親子関係を維持することができるでしょう。これは、子ども本人の人生にとっても、親の人生にとってもかけがえのない重要なものではないでしょうか。

 思い出してみてください。お子さんが赤ん坊だったころのことを。その頃は、ただわが子を見つめるだけで自然と笑みが浮かんできたのではないでしょうか。そうして、初めてわが子が立ち上がり、自分の足で歩み始めたとき。それはもう、親として無条件にうれしい瞬間だったことでしょう。

 ところが、そんな親の気持ちが子どもの年齢とともに変わっていき、段々とわが子の成長ぶりに不満を抱くようになっていきます。これを裏付ける資料があります(ちょっと古い資料で、以前別の記事でご紹介したことがあります)。

20161024b

 日本の親は、生まれてから小学校の卒業年齢に至るまで、他国の親よりも子どもの成長に対する満足度が低いのですが、より気になるのは、子どもの年齢が上がるにつれて不満の度合いが強くなっていることです。10~12歳の段階で「満足」と感じている親は36%余りしかいません。これが、「能力はあるのに自分に自信をもてない」と言われる日本人の弱点につながっているのではないかと思われます。

 原因は何でしょうか。その一つが受験だと言われています。受験は成績をめぐる競争という側面があり、どうしても親は他の子どもと比較したり、全体の中での順位を気にします。受験がなくても、日本ではテストが頻繁にあり、成績に対して親は敏感になりがちです。そのことが、わが子にどんな影響を及ぼすかを考えていく必要があるでしょう。

 この点を踏まえるなら、親に要請されるのは子どもの成績に不満を抱くことではなく、子どもに自信を失わせないことであろうと思います。また、子どもに努力することの価値を教えることであろうと思います。どのような成績のときも闇雲に叱らない。「大切なのは、精いっぱい努力することなんだよ」と応援してくれる。そういう親のもとでは、子どもは余計なプレッシャーなくがんばることができます。そのほうが入試の結果も得られるのです。

 かつて子どもの数が多かったころ、受験がブームであったころと比べると、中学入試の門は随分広くなっています。大学受験となるともはや全入の時代が訪れています。こうなると学歴には大した価値はなく、重要なのは本物の力だということにならざるを得ません。このような時代にあって子どもたちに求められるのは、自分で自分の力を伸ばしていく姿勢を養うことであり、人間としての全体的な力やバランスを整えることであろうと思います。

 中学受験をうまく活かせば、計画的に学ぶ姿勢、努力の成果を信じて学ぶ姿勢、段取りをつけながら学ぶ姿勢など、将来の大成につながる大事なものを育むことができます。そうしたものの価値をご理解いただき、受験生活がお子さんの人間力を養う場になるよう支援していただくようお願いいたします。

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カテゴリー: 中学受験, 勉強について, 子育てについて

これからの時代は英語学習が一番大事?

2016 年 10 月 17 日 月曜日

 先日、某ショッピングモールに出かけた際のこと、フロアの一角にある英会話教室から、3~4歳ぐらいの子ども達が大きな声で英単語を復唱しているのが聞こえてきました。突然大音量で英単語が聞こえてきたことにも驚いたのですが、見ると随分多くの小さな子ども達が英語を学んでいて、そのことにさらに驚きました。

 先日読んだある雑誌記事によると、最近の富裕層家庭では、子どもと母親が英語圏の国に移住し、英語が身についたら日本に帰ってくるというケースや、英語力獲得のために子どもだけ外国に住まわせるようなケースが増えているのだとか。ここまでではなくても、わが子の英語力向上を目的として、国内のインターナショナルスクール等に通わせるご家庭も増えているようです。こうした報告からは、わが子の教育の中で英語力向上を最上位に掲げるお母さん・お父さん方が増えていることがよくわかります。
 英語力を高めることによって、様々な国や地域の人達とコミュニケーションを取ることができ、それを将来の仕事や実生活に活かせるなら素晴らしいことです。ただし、成長過程にある子どもが英語だけで話す環境に身を置いた場合、英語を話せるようになることだけでなく、他にどのような影響を受けるのかという点も考えておく必要があるのでは・・・とも思います。

 言語は、その国・その土地の風土や文化と密接に結びついて成り立っています。日本語が様々な面で日本文化と結びついているように、英語もその国の文化や風習と切り離して考えることはできません。一括りに「英語」といっても、その背景にあるものは国や地域によってそれぞれ違います。幼少期に生活言語として英語を学ぶ場合、英語を使った思考の組み立てや判断、言葉の背景にあるその土地の生活そのものもあわせて身につけていくことになります。
 ですから、もし英語力の獲得のみを目的とする場合、その環境に身を置いて言葉だけうまくすくい取って身につける・・・というのは非常に難しい作業です。先の雑誌で紹介されていた家庭のように「幼い頃から海外で暮らすことで、わが子をバイリンガルに・・・」と考えたとしても、海外でしばらく暮らすうちに日本語を忘れてしまうとか、その後環境が変わるとすぐ英語の発音を忘れてしまったり、言語の違いとともに文化の違いにもなかなか馴染めなかったり・・・、というようなことがしばしば起こるのもまた事実です。

 では、日本人の英語学習はどんな形が望ましいのでしょうか。言語社会学者の鈴木孝夫・慶応大学名誉教授は、日本のこれからの英語教育について、次のようなお話をされています。

 従来の英語教育では紅茶のカップで紅茶を飲んでいたのを、今度は緑茶を入れて出さなければいけません。つまり、容れ物は英語でも中身は日本。外国人が「へえぇ」と感心する日本の文化は山ほどあります。
 紅茶でも緑茶でも、容れ物ではなく中身を飲むのですから、中身に相手が関心を示さなければコミュニケーションが成り立ちません。相手にとって飲み慣れた、しかもまずい紅茶でお茶を濁すのではなく、ティーカップに物珍しい緑茶を入れて興味を惹き、日本への理解を促進する。そのためには、英米の生活や文化を教材にした受信型の英語教育から、日本の文化・歴史・社会・風俗・習慣を英語でどう説明するかを学ぶ発信型の英語教育に切り換えなければいけません。(中略)
 小学校では子どもたちに身に付けさせなければならない大切なことがたくさんあります。それこそ読み書きそろばん、さまざまな公衆道徳や社会常識。限られた貴重な授業時間の中で、それらに優先順位をつけて割り振れば、どう考えても英語は入りません。英語を導入したら他の大切なことが疎かになる恐れが大きい。(中略)
 義務教育の英語は選択制にして、自分たちのことがいえる発信型の教育にする。そして英語と英米文化を切り離す。これが世界の現実に即したこれからの日本の英語教育の在り方です。(Benesse「BERD」より)

 どのような言語で会話をするにしても、誰かと話をする際には「伝えたいこと」があるのが前提です。伝えたいことがあってこそのコミュニケーションスキルですから、いくら英語や他の外国語が流暢に話せたとしても、話す人の中に伝えたいことや相手の興味を引けるものを育んでおかなければ本末転倒になってしまうということですね。

 このお話をふまえて考えると、「わが子は何のために英語を学ぶのか(学ばせるのか)」という点について、親は明確なビジョンをもっておく必要があるといえそうです。
 将来わが子には、日本から巣立って国際社会で活躍できるようになってほしいとか、日本で暮らしながらも英語力を活かしてほしいといった考えが強ければ強いほど、単なる「容れ物」である英語の力だけ磨いてもさほど意味がありません。他に学ぶべきものがあるなら、それを犠牲にしてまで「とにかく早く英語を・・・」とこだわるのではなく、場合によっては「あくまでもコミュニケーションスキルの一つ」と割り切る考え方も必要なのかもしれません。

 これからの社会の変化を考えると、英語学習の重要性がますます高まっていくのは間違いないでしょう。小学校では既に始まっていますが、これから幼稚園・保育園などでも本格的に英語に触れる機会がどんどん増えていくはず。ただ、「幼いうちに英語に親しませておく」「発音を聞き取る耳を育てておく」のと、「英語漬けの生活で完全にマスターさせておきたい」というのでは、かなり意味合いが違います。
 私自身も子をもつ親の一人ですが、保護者の立場からすれば、まずはわが子の教育を広い視野で総合的に捉える必要がありそうですね。

(butsuen)

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カテゴリー: 勉強について, 子どもの発達, 家庭学習研究社の特徴, 小学1~3年生向け

2016後期「おかあさんの勉強会」を実施します

2016 年 10 月 10 日 月曜日

  「おかあさんの勉強会」は、学習塾の催しとしては珍しい「ワークショップ形式」の催しです。2010年に「おかあさん塾」という呼称で初めて実施し、翌年に現在の呼称に改めました。早いもので7年目を迎え、今ではすっかり恒例の行事として定着しています。

 中学受験は、成長途上にある小学生の受験です。つまり、受験生はまだ分別をわきまえていない子どもですから、親のサポートが必須の受験だと言えるでしょう。したがって、見かたによっては受験生以上に親に負担がかかる受験だと言っても過言ではありません。とりわけ家庭で一緒にいる時間が多く、しつけや生活面の世話にも追われるおかあさんの苦労は、それこそ並大抵のものではありません。

20161010a  「おかあさんの勉強会」は、そんなおかあさんがたを少しでも応援したいと考えて始めた催しです。人間は、何かでストレスを感じたり、悩みが生じたりしたとき、同じような立場にある他者と交流する機会を得ると、随分気持ちが救われるものです。このような発想から、子育てと受験生のサポートという二重の負担を抱えているおかあさん同士が、忌憚なく話し合える場を提供したいと考えた次第です。ワークショップ形式という双方向性の催しにしたのはこのような理由からです。

 ただし、何でも自由に話すだけでは単なる気分転換の場にしかなりません。そこで、毎回おかあさんがたが悩んだり苦労したりしがちな問題点をテーマとしてとりあげ、それをどのように改善したらよいかを話し合っていただくことにしました。

 なお、これまでは「週3日コース」の会員家庭を対象としていましたが、今回から「土曜コース」のおかあさんがたにも参加いただけるようにしました。以下は、今回の勉強会の大まかな内容と流れを説明したものです。2回を通じたテーマは、「効果覿面!おかあさん必須のサポート術って!?」となっております。催しのあらましをご確認のうえ、興味をおもちになったら是非お気軽に参加ください。

第1回 「“やればできる”という自信を吹き込もう!」

 子どもの勉強が活性化するかどうかの鍵を握るキーパーソンは誰でしょう。それはおかあさんです。小学生の子どもは、親、特におかあさんを見て行動しています。それは、「おかあさんにがんばっているところを見てほしい」「おかあさんに認めてもらいたい」という強い願望があるからに他なりません。

 ところが、そのおかあさんから見たわが子はどうでしょう。生まれたての赤ちゃんのころはどんなときにも笑顔で接していたのに、大きくなるにつれていつのまにか対応が変わっているのではないでしょうか。特に、受験勉強が始まってからはどうでしょう。わが子の健やかな成長を見て喜ぶどころか、むしろわが子の勉強ぶりに不満を隠せないおかあさんが多いようです。受験がわが子を見る眼差しを変えてしまったのかもしれませんね。

 第1回目の勉強会は、はじめに「おかあさん次第で、子どものやる気や心もちは大きく変わってくるのだ」ということに気づいてもらいます。そして、わが子の現在の状況を振り返り、「子どもが自分自身の可能性を信じ、精力的に受験勉強に取り組めるようになるにはどうしたらよいか」を考えていきます。以下は、案内状でもご紹介していますが、当日の流れを記したものです。

1.あなたはわが子の受験勉強の現状に満足していますか?

 全員に、「わが子ががんばっている点、もっとがんばってほしい点」を振り返っていただいたうえで、よいところを認めて励ましているかどうかを話し合っていただきます。そして、子どもの勉強が意欲に満ちたものになるかどうかの鍵を握るのは、母親の対応だということに気づいてもらいます。

2.わが子に自信を吹き込むのも親の重要な役割

 これまで、わが子を不満の目で見ていたとしたら、何がそうさせたのでしょうか。まずはおかあさんがたにお子さんとの関わりかたに反省点はないか振り返っていただきます。

 そして、子どもの勉強に元気や自信を吹き込むために、親はどうわが子に接したらよいかを一緒に考えていただきます。グループ単位でアイデアを出し合ってもらいます。

3.子どものやる気を引き出すいちばんの方法って?

 各人のアイデアは家庭で実践していただくとして、この場の全員で共有する作戦も考えてみたいところです。全員が受験をめざす進学塾においては、勉強しても成績は上がらず、自信を失う子どもも出てきます。子どもがやる気を失わず、がんばり通すには何が必要でしょうか。それは、おかあさんの愛情に満ちたバックアップです。具体的には、日々の小さな努力をほめてやることです。そのことをみなさんにお伝えします。

4.ほめて自信をつけさせるための作戦を考えよう!

 ほめるということは、簡単そうで意外と難しいものです。4・5年生ともなると、見え透いたほめかたは逆効果にしかなりません。そう、ほめるには相応の根拠が必要なのです。

 そこで弊社から、「親子で相談して当面の学習上の目標を掲げませんか?」という提案をします。目標に向かってがんばるわが子を見守りながら、子どものやる気と奮起を促すようほめてやるのです。

 とりあえず、おかあさんそれぞれに目標設定に関するアイデアを温めてもらいます。その後で、グループごとに個々のアイデアを練り直していただきます。無論、お子さんがそれを受け入れてくれなければ何にもなりませんから、帰宅後は親子で話し合いをしていただきます。

 第1回はここまでで終了し、ほめて自信とやる気を吹き込むためのより具体的な親の関わりを、2回目でより具体化させていきます。

 

第2回 「上手にほめて、やる気を引き出そう!」

 心理学者によると、小学校の中~高学年の子どもの学習意欲を支える最も大きな要素は、「親の期待するような人間でありたい」という願望だそうです。子どもがこのような気持ちを背景にして受験勉強に励むようになるには、前提となる条件があります。それは、親子の強い信頼関係です。

20161010c わが子のがんばりを見てほめると、親を信頼し尊敬する気持ちが子どもに宿ります。「どんなときにもおかあさんは自分を見守り、温かく応援してくれる」――わが子がこのように受け止めたなら、少々のことで挫折したり勉強を放棄したりすることはありません。それどころか、必死になって努力を続けていくに相違ありません。

 第1回の勉強会の最後に、子どもに当面の目標をもたせること、そしてその目標達成に向けたプロセスを見届けながら、ほめて励ますことをご提案しました。ほめる機会を得るための場を積極的に設けることになるからです。第2回の勉強会においては、ほめるということについてさらに踏み込み、「どんなタイミングでどうほめるか」ということについて一緒に考えてまいります。

 では、第2回目の勉強会の流れや内容をかいつまんでご案内しておきましょう。

1.ほめて励まし、奮起を促す作戦は親しかできない!

 この勉強会では、わが子をほめてがんばらせるためのより具体的な作戦を考えていきますが、その前に第1回目の最後にご提案した「当面の目標を子どもにもたせ、その達成に向けたプロセスをほめるための場にする」ということが、どの程度実行に移せているかどうかを報告し合っていただきます。

 家庭でのわが子の生活や学習を絶えず見守り、前向きさや努力の様子が感じられたらすかさずほめる。それは生活を共にし、子どもにとって絶対的な立場にある親しかできないことです。そのことを改めて確認し、わが子に自信とやる気を吹き込むことへの決意をしていただきます。

2.子どもはどんなほめかたを望んでいる?

 子どもが歓迎し、やる気や自信を取り戻すほめかたとはどういうものでしょうか。それを端的に教えてくれる資料をご紹介します。それは、子どもたち自身に実施したアンケートの結果です。親のほめかたと、子どもが望むほめかたとにギャップはないでしょうか。とても参考になる資料です。

 このアンケートは、弊社の4・5年部の大半の校舎で実施したものです。子どもに励みを与える声掛けのしかたも、このアンケートの結果を見ればわかるのではないでしょうか。アンケートの結果をご紹介した後、グループごとに感想や、得られた反省点・指針などについて話し合っていただきます。

3.子どものモチベーションを高めるほめかたを研究しよう!

 効果が得られるほめかたには一定の原則があります。学者や専門家の著作のなかから参考になりそうな情報、特に共通してあげられているルールのようなものをピックアップしてみなさんにご紹介します。親が子どもをほめるとき、多くの親がついやってしまう共通の間違いがあります。それは、子どもにプレッシャーを与えるほめ言葉を使ってしまうことです。そうした例を交えながら、子どもが親を信頼し、心からがんばろうという気持ちを引き出すほめかたを、一緒に研究していきましょう。

4.ほめた言葉は永遠に子どもの心に宿る

 小学生時代に築いた親子関係は一生もので、強い絆で結ばれた関係か、子どもの反発や不信を内包した関係かで、後々まで影響が残ります。受験の結果を求めるあまり(それも親心ゆえのものですが)、子どもの親に対する気持ちをゆがめてしまうような接しかたは厳に戒めるべきでしょう。

 受験生活が、子どもにとって大いなる成長になるにはどうしたらよいか。その答えは、「親のほめかた」を研究することで見えてくるでしょう。最後に、「子どもの受験で一番大切にすべきものは何か」をみなさんで確認して、この勉強会を終了します。

20161010b

 なお、「おかあさんの勉強会」は2回を通じての参加を原則としていますが、ご都合等で1回しか参加できないかたの申し込みも受け付けます。

 また、お子さんの通学校舎の開催日の参加が困難な場合、他校舎の催しに参加されても構いません。その場合、予め袋町本部(082-248-2081)にその旨お電話でお知らせください。

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カテゴリー: 子育てについて, 家庭での教育, 行事のお知らせ

2016後期 4年部・5年部「保護者説明会」のご案内

2016 年 10 月 3 日 月曜日

 10月になり、一段と涼しさが増してきました。いよいよ勉学に、スポーツに、最適な季節が訪れたことを感じるこのごろです。

 秋の深まりとともに、来春の入試を控えた6年生の子どもたちの周辺も慌ただしさが増してきました。昨日(10月2日)は第3回目の模擬試験が行われましたが、子どもたちの表情はいよいよ受験生のそれらしくなってきたように思います。これからの1日は、これまでの何倍もの密度で流れていくことになります。悔いの残らぬ取り組みをしていきましょう。

 一方、弊社の教室に通う4年生や5年生の子どもたちは、「基礎力養成期」の学習に取り組んでいますが、こちらはまだ受験生としての自覚を深めるには至っていないのではないかと思います。しかしながら、受験に向けた基礎を学んでいる今の学習をぜひ大切にしていただきたいと存じます。基礎が確かであればあるほど、学習への構えが強固であればあるほど、本格的な受験勉強が始まってからの学習に余裕が生まれてきます。また、親もストレスなくわが子の受験生活のサポートにあたれることでしょう。

 そこで弊社の4年部と5年部では、「後期 保護者説明会」を実施し、来年2月までの「後期講座」の学習が、子どもたちにとって有意義で実りあるものになるよう、密なる協力体制を築いてまいりたいと存じます。

 以下、今回の保護者説明会で扱う主な内容について、4年部と5年部に分けてお伝えします。ぜひ参加いただき、お子さんの学習環境の整備と適切なサポートのためにお役立てください。

★4年部「後期 保護者説明会」の主要なテーマと内容

 4年部の学習指導は算数と国語の2教科で、教室での学習も家庭学習もさほど負担は大きくないと思います。しかしながら、この2教科は中学入試で柱となるだけでなく、先々まで続く長い学びの人生において袂を分かつことのできない教科です。20161003a

 算数学習に求められる考えかたや取り組みが筋のよいものであれば、様々な分野にわたる理系の学問を修めるうえで、どれだけ心強いことでしょう。また、国語という教科は単なる1教科ではなく、母国語を介したあらゆる学問の手段として欠かせません。国語力を伸ばすことは、自己表現力やコミュニケーションの能力を高めることにもつながります。今取り組んでいる国語の学習は、そういった意味においても大切にしていただきたいものなのです。

 4年部での学習でこの2つの教科の土台をしっかり固めておきましょう。そうすれば、やがて訪れる入試に向けて明るい展望が開けてきます。さらには、学問の世界で大きく羽ばたいていくための確固たる土台を形成することができます。

 以上のような4年部の学習の重要性に鑑み、4年部「後期 保護者説明会」では、次のような事柄を柱に据えて保護者にご説明する予定です。

1.「基礎力養成期の目標」
 来るべき中学入試までの受験対策の流れにおいて、4年部の学習はどういう位置づけにあるのか、今学んでいることがどのような意味をもつのかなどとともに、今求められる学習の取り組みかたなどについてお話しします。

2.4年部後期の学習 算数  
 算数は、基礎を学ぶ段階での取り組みで伸びしろが決まります。また、入試問題のレベルが教科書と大きく異なるため、段階を追った系統性のある取り組みをしていくことが求められます。暗記や詰込みでは、時間や労力にとてつもない無駄が生じますし、中学進学後の学習の進展について行けなくなってしまいます。したがって、学習塾の指導力が問われる教科だと言ってもよいでしょう。

 弊社では、入試問題に柔軟に対応できる本物の算数学力を養うために、また、将来に向けた理系頭脳の育成のために、算数的な考えかたの土台をしっかりと身につけること、算数学習のおもしろさを味わう体験を提供することを柱に据えて指導しています。

 保護者説明会では、こうした弊社の考えをより具体的にご説明します。入試合格はもちろんのこと、将来の大成のために、今どんな取り組みをすべきかをお確かめください。

3.4年部後期の学習 国語
 小学4年生は、人生で最も語彙増加率の高い時期にあたります。弊社では、このような時期であることを念頭に置き、国語の指導を効果的に行うための配慮と工夫をしています。

 たとえば、子どもの語彙の増加は何によって実現するのでしょうか。もっと幼いころの子どもの語彙は、家庭での会話をベースに増えていました。この段階では語彙の増加はゆっくりとしています。この流れを急激に変えるのが活字です。すなわち、書き言葉との接触によって、会話では果たし得なかったものすごい勢いの語彙増加が可能になるのです。

 このことを踏まえ、弊社の4年部では「長文の読み取りに長けた子どもの育成」に取り組んでいます。長文に強い子どもになることが、子どもの読むという行為を快適にし、読書の励行につながり、語彙のすばらしい増加を実現するからです。

 では、どうすれば長文を読むことに堪能になれるのでしょうか。それには家庭の協力も重要な鍵を握っています。具体的にどんなことをすればよいのかについて、保護者説明会でご説明しますので、ぜひお確かめください。

4.5年部への進級にあたって

 5年部に進級すると理科と社会が加わり、4教科による入試対策が始まります。また、算数と国語の学習もより受験勉強らしくなってきますので、学習の負担がかなり増すことになります。

 この5年部の学習を快適にやりこなし、順調に学力を伸ばしていくために、いまどのようなことを大切にすべきでしょうか。まずは、学力は資質だけで決まるものではなく、むしろよい学習の習慣を身につけているかどうかで決まるのだということをお伝えします。よい学習の習慣とは、具体的にはどのようなものでしょうか。それを具体的にお伝えしたうえで、今お子さんが5年部進級に向け、順調に準備を整えつつあるかどうかをチェックするための視点をご提供します。

20161003a

 

★5年部「後期 保護者説明会」の主要なテーマと内容

 5年部後期は、弊社の「基礎力養成期」の終盤にさしかかる段階にあたります。4年部の前期から始まった「基礎力養成期」は、5年部後期を経て6年部の4月末をもって終了します。そして、5月の連休明けから「応用力養成期」へとステージを上げていきます。この段階をもって、いよいよ受験勉強らしい様相を呈していきます。

 基礎力養成期の終了は、小学校6年間で定められた学習範囲の修了を意味します。したがって、カリキュラムに沿った単元を組んで指導している算数、理科、社会は、いずれも5年部後期のうちに6年生の学習範囲へと移行していきます。

 先取りを進める理由については、どなたにもご承知いただいていると思います。入試で出題される問題のレベルと教科書で扱われている内容とには相当なギャップが存在し、それをきちんと埋め合わせるためには、かなりの時間的スパンを設けて学力の底上げを図る必要があるからです。

 このように、弊社の受験指導は、「基礎力養成期」で教科書の全範囲を学習しながら入試で求められる学力の基礎を固めていき、6年部の5月から始まる「応用力養成期」の学習で、少しずつ入試問題との距離を詰めて行くという流れになっています。

 応用力養成期の学習を視野に入れ、そのうえで5年部後期の学習を概観すると、その重要性を改めて思わずにはいられません。入試対策の勉強をしていくうえで、基礎力養成期の学習をいかにしっかりとやりこなしていたかどうかが、順調に応用力を身につけていくうえでの大前提となるのです。20161003b

 そこで、5年部「後期 保護者説明会」では、「応用力養成期」の学習をスムーズにやりこなすための前提となる重要項目をとりあげ、丁寧にご説明してまいります。

1.「基礎力養成期」の目標

 広島の主要中学校の入試に共通して言えるのは、「確かな基礎学力が問われる」ということです。ここで問われる基礎学力とは、単に「易しい基本的なことが頭に入っている」ということだけでなく、「基本的で重要な事項について、理屈を筋道立てて理解している」ということを意味します。このことからも、基礎を学んでいる今の時期にテスト範囲を丸覚えする勉強をするのは意味がないことがわかります。

 では、基礎がしっかり身につく勉強とはどんなものを意味するのでしょうか。そこでまずは、「確かな基礎を身につけるには、どのような取り組みが求められるか」を、観点別に項目としてとりあげ、手短にチェックをしていきます。

2.これからの学習にあたって 「算数の確かな基礎学力を身につける」

 「学問に王道なし」と言われるように、手っ取り早く効果の得られる勉強というものは存在しません。あくまでも基本に則り、やるべきことを反復していくしかありません。その「やるべきこと」とは何かを、ここで再確認し、基礎を固めるための算数学習のありかたをお伝えします。

 無論、学習指導は担当者が責任をもって行ってまいります。しかしながら、家庭学習で望ましい取り組みができているかどうかは、入試の成否を分けるほど重要なものです。保護者にも「どういう勉強をすべきか」をご理解いただき、望ましいサポートの実践に向けて参考にしていただければ幸いです。

3.これからの学習にあたって 「国語力ベースアップ作戦」

 「国語は、何をしたらよいのかわかりません」とよく言われます。これは、国語に単元割がなく、学年ごとの学習内容の線引きも明確でないことに起因する問題であろうと思います。

 国語とは、母国語の習得、母国語による表現、思考、コミュニケーション能力の獲得をめざす科目です。具体的には、日本の文字や言葉、日本語で表現された様々な文章を読んで理解したり、日本語で自らの考えを発信したりする力を養うことをめざします。

 では、結局何をしたらよいのでしょう。入試問題では、「様々な文章を読み味わう力」が問われています。自分の判断や考えを短い文で書き表すことが求められています。具体や抽象を意味する言葉の知識、そして漢字力が問われています。このことから言えるのは、他教科の単元学習とは異なり、「読む力」や「書く力」、「語彙力」の増強などの視点から勉強法を考えることが必要だということです。

 5年生は、生涯でいちばん語彙の獲得数の多い学年です。このことは、活字による間接体験が著しい効果を引き出す年齢期にあることを意味します。そのことを踏まえ、本催しでは国語力の土台を今からどうベースアップさせるかについて、具体的な作戦をお伝えしてまいります。

4.6年部に向けて ご家庭での配慮

 5年生の子どもは、大人のように先を見て戦略的に目標達成に向けて準備をしていくということができません。それは、まだ人生経験が10年程しかないのですから当然のことでしょう。

 そんな子どもに苛立ち、あれこれと指図したり命令したりしたくなるのが親というものです。しかしながら、そこが辛抱のしどころです。親のコントロールの下でする勉強は、自律に向けた成長の足かせになってしまいますし、6年部からの本格的な受験勉強を乗り越える力をスポイルしてしまいます。

 そこでこの項では、5年部後期の今、親はどのように子どもの受験生活に関わるべきか、についていくつかチェック項目をとりあげ、望ましい受験環境を築いていくためのアドバイスをさせていただきます。 

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 中学受験は人生経験の未熟な小学生の子どもの受験です。大人のサポートなしには成立しない受験です。ご家庭の保護者と私ども学習塾が一致した見解に立ち、一貫した粘り強いサポートをしていかねばなりません。

 入試までの期間は長いようであっという間に過ぎてしまいます。お忙しい毎日をお過ごしとは存じますが、保護者のみなさまと学習指導にあたる私どもとの連携体制を築くうえで重要な催しですので、ぜひ万障を繰り合わせてご参加いただきますようお願い申し上げます。

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カテゴリー: お知らせ, 中学受験, 行事のお知らせ