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2018年度の作品

No.7 『 全身全霊で挑んだ中学受験 』広島城北中/Tさん

 家庭学習研究社は、六年生の六月からお世話になりました。
 それまでは他塾に通っていましたが、なかなか成績が伸びず、思い切って環境を変えてみてはと思い、こちらでの入塾を希望しました。
 しかし、M先生からは「この時期に塾を変えるのはお勧めしない」との事でした。そのため、一旦は入塾を諦め今まで通り元いた塾で頑張る事にしました。
それから一ヶ月。今まで通りにと決めたものの、やはり家庭学習研究社の入塾をどうしても諦めきれずにいました。それは、M先生の人柄、熱心さにとても惹かれ「家庭学に賭けてみたい」という想いが強かったからです。
 そして、再度入塾を希望し、なんとか受け入れていただきました。しかし、親の心子知らずといいましょうか、当の本人はというと、塾が変わろうが成績が悪かろうが、相変わらずマイペースを貫き、まるで受験が他人事のようでした。
「鉄道部がある中学に行きたい」中学受験をさせたきっかけです。目的はあるものの、なかなか受験スイッチが入らない息子に対し、苛立つ事も多々ありました。「受験するのをやめよう」何回言ったことか……。
 秋の面談では「これでは城北も受からない、なんとか一科目得意科目を作ろう」と言われました。しかし、得意科目がなかなか見つからないまま、十一月、十二月と時間は過ぎるばかり……。
 受験スイッチが入ったかなと思えたのは、冬休みに入ってからです。お友達に社会が得意な子がいて、そのお友達と一緒に勉強するうちに社会が好きになり、社会に対しての苦手意識がなくなってきたように思います。本番直前には、O先生から社会のプリント、「○○スペシャル」を作っていただき、私が「休憩したら?」と言っても「まだやる!」と、ずっと机に向かっていました。親の出る幕はもうありませんでした。
 城北の試験を終えた後は「社会は自信がある!」と笑顔がこぼれ、成果が実った様子でした。
 次の修道の試験は、迎えに行った私を見つけ、息子が「疲れた」と一言だけ言いました。「どんな問題が出たの?」「全部埋めれた?」聞きたい事は山のようにありましたが、今持っている知識を全て出し切り、燃え尽きた息子を見たのは初めてでしたので、何も聞く事は出来ませんでした。
 第一志望校の修道は残念な結果でしたが、塾のテストは毎回適当、順位も下から数えた方が早い。そんな息子にM先生が「全身全霊で問題を解け」と声をかけてくださったそうです。その言葉を最後の最後で実践し、本気で問題にぶつかった息子。結果よりその成長した姿がかっこよく、むしろ清々しい気持ちになりました。
 中学受験が終わったら「死ぬほど遊びたい」と言っていた息子が、受験が終わったらすぐに「〇〇スペシャル」を引っ張り出し、こちらが何も言わなくても机に向かい復習をしています。「今頃スイッチが入ったかー」と思いながら、だけど、長い目で見たら決して失敗ではないのかもしれません。
 我が家の中学受験という航海は、嵐の連続でした。家庭学習研究社の入塾テストですら何度も沈没してしまうほどでしたし、船から見えた景色がきれいだと思えた出来事もなく、航海しなければ嵐に遭わずに済むのに……と当時は思っていました。最終的には違う目的地に辿り着きましたが、そこには別の景色と別の喜びがありました。
こうしてなんとか乗り切ることが出来たのも、先生やお友達のおかげです。この出会いは宝物です。
 勉強は嫌いでしたが、塾は大好きだった息子。宝物を大切に。そして何事にも「全身全霊」でチャレンジだ!
 本当にありがとうございました。

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