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2019年度の作品

No.4 『 中学受験というリズムのある生活 』
                     広島学院中・修道中/Sさん

 3年前の秋晴れの土曜の午後。中学受験に向けてどこの塾が良いのか?我が子と呉の市街地にある塾を1つ1つ歩いて探索。「広島で中学受験をするなら……。」とライバルであるはずの某学習塾を訪問した時に教えてくれたのが家庭学・呉校。そんな呉校にサッカースクールに通うがごとく、楽しく勉強を始めたのが昨日のことのように感じております。
 中学受験に向けて走り続けた3年間。5年生の夏までは普通の小学生のように生活してきました。しかし、5年生の秋以降は、2週間を単位に、ほとんど同じようなリズムで毎日を過ごしてきたと思います。日曜日はマナビーテスト」に向けての復習と学校の宿題を一週間まとめてやること。塾のない日は塾の復習と予習。塾のある日は、塾へ行く前にできるだけ学校の宿題を終え、塾から帰宅後はプリント類を整理し、できるだけ早く就寝。そして土曜日は「マナビーテスト」を受け、翌週にはその結果に家族で一喜一憂(決して褒められたものではないのですが……)。何の変哲もない日々の繰り返しではありましたが、このようなリズムで生活できたことが中学受験という長い道のりを完走できた大きな要因だったのではと思います。
 そして、親としてできることは、このリズムをできるだけ乱さないようにペースメーカーとして「伴走」すること……というのは簡単ですが、「伴走」は非常に大変な仕事でした。私の「伴走」のイメージは箱根駅伝でランナーの後ろを並走する車から指示を出している青山学院大学の原監督でした。
「いいペースで走っているよ!」「ここの上がり坂を超えれば楽になるよ!」
とペース配分に気を付けながらポジティブな言葉をかけることをいつも心掛けてはいたのですが、こちらも未熟な人間です。思うように学習が進まないことがあると、
「もっと勉強しなきゃ!」「こんなんじゃ合格できないよ!」
と、ついつい感情的で、ネガティブな言葉が出てしまい、反省を繰り返す日々でした。
 しかし、そのような未熟な「伴走者」とランナーである我が子が何とか最後まで走り続けることができたのは、家庭学・呉校の存在があったからだと思います。塾で子供がどのように勉強しているのか実際に見たことはありませんが、塾からの帰宅後はいつも「授業が楽しかった!」「先生からこんな雑学を教わった!」と目を輝かせて話す姿を見て、勉強とは本来楽しいものであるという原点を、親として認識させていただきました。もしも私が三十年前に戻ることができたなら、家庭学・呉校に通い、中学受験に挑戦してみたいと、羨望の眼差しで我が子の受験生活を眺めていました。
 2019年1月。マラソンで言えば、40㎞を過ぎ、競技場での勝負というときに親が体調を崩し、それまで大切にしてきたリズムが崩れた為でしょうか。附属の試験ではよい結果が得られず、親が動揺している中でも、冷静に自分の生活のリズムを取り戻した我が子を誇りに思っています。我が子には中学受験の経験を活かし、これからも自分の生活のリズムで自分らしい人生を歩んでいってほしいと思っています。

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