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2021年度の作品

No.7 『 「受験をする」ということ 』
           県立広島中・城北中/Kくん

 僕が家庭学に通い始めたのは四年生の時でした。一つ上の姉も通っていたのでいっしょに通うことにしました。塾は、先生も授業も楽しく、友達もできたので受験のことなど何も考えず通っていました。
 ある日、母がどの中学校を受験しようかと僕に話してきました。僕はどの中学校も知らないし全く分かりません。地元の中学校の受験日はいつなのかと母にたずねるくらい、受験が何なのか分かりませんでした。僕は分からないまま受験をする気になれず、「受験はしないよ」とずっと言い続けました。母は「それでもいいから塾へは行きなさい」と言ってくれました。
 それから何となく四年生が過ぎ、五年生が終わる頃、姉の受験が終わり、志望校へ合格して喜んでいる姿を目の当たりにしました。姉はすごいなと思いました。そして、なんだかうらやましくなりました。この時から僕も受験してみたいと思い始めました。母に「やっぱり僕も受験しようかな」と言うと、母は一瞬びっくりした顔をしていましたが、すぐに「全力で協力するから頑張りなさい。」と言ってくれました。ここから僕の本当の受験勉強が始まりました。
 まず、今までの生活を見直すことにしました。僕は小学校から帰ると必ず友達と遊んでいましたが、それを止めました。ゲームも時間を決めてするようにしました。そして朝六時に起きて勉強するようにしました。今まで勉強していなかったので、最初はこの生活を完ぺきにこなすのは難しく、いら立つこともたくさんありましたが、塾の雰囲気も段々と受験モードになっていき、先生にプリントを出してもらったりしていると勉強が当たり前になり、頑張ろうと思えるようになりました。今年はコロナでオンライン授業もありましたが、先生方の授業は分かりやすく、頑張って受けました。
 しかし、頑張っても頑張ってもマナビーテストの点数は上がりませんでした。僕はテストのたびにものすごく緊張してしまい、あせってミスを連発していました。国語も文章が全く頭に入ってこない時もありました。髙橋先生に「落ち着いて解けばできるよ」と言われました。緊張しないためにもいろいろな問題をたくさん解いて自信をつけようと思いました。すき間時間に毎日一問だけ自分が解けそうにない問題にもチャレンジしていきました。それでもマナビーや模試の点数は最後まで自分の思うようには取れませんでした。しかし、家で問題をこなしていると以前より解けている自分に気づくことができたので、受験前に自信だけはついていました。
 受験当日はとにかく落ち着いて解ける問題から解いていこうと作戦を練り、「自分はできる」と信じて挑みました。本番は不思議なくらい今までで一番落ち着いて受けることができて、あきらめなくて良かったと思いました。そして不合格でも悔いはないと思えました。無事試験が終わって合格を聞いた時にはうれしくて飛び上がりました。家族も大興奮でした。
 受験は自分には無理なことだと思っていました。けれど挑戦したことで自信がつき、やればできるんだということが分かりました。受験を通して僕の世界は広がりました。中学校も自信を持って頑張っていきます。

  
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