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2021年度の作品

No.9 『 くやしさがあったからこそ 』
               修道中・広島なぎさ中/Mくん

 ぼくが家庭学習研究社に通い始めたのは四年生の時だった。通い始める前までは、「塾なんて……」と思っていたし、中学受験のこともあまり知らなかった。それでも、いざ塾が始まってみると、学校外の友達がたくさんでき、授業も楽しく、勉強が楽しかった。
 両親や先生いわく、「超ポジティブ人間」のぼくは、塾での成績で落ち込んだり、くやしくなったりすることはまったくなかった。母にも、いつも「もっと負けずぎらいになれないの?」と言われていたけれど、「なんで負けずぎらいにならなきゃいけないの?」と思うばかりだった。そんなぼくにとって、塾はただの楽園だった。
 しかし、五年生の冬のことだった。仲良しだった友達の中で、ぼく一人だけが下のクラスに落ちてしまったのだ。ぼくは、人生で初めて「くやしさ」というものを知った。くやしくて涙が出た。そこから「負けたくない」という気持ちを持ち続けた。ぼくにとってそれは大きなスタートだったと思う。
 ようやくスタートを切ったと思ったら、前代未聞の事態が同時にスタートした。新型コロナウイルス感染症が流行し、学校が休校となり、塾までもがオンライン授業になった。しかし、「超ポジティブ人間」と呼ばれるぼくは、まったく大変だとか不安とかはなく、むしろ「たくさん勉強できてラッキー」だと喜んでいた。休校の間、ぼくは必死で勉強した。「負けたくない」その思いを常に持ち続けて、とにかくマナビーやアタック、プリントなどをやり続けた。
 コロナの影響は受験までずっと続いた。けれど、ぼくにとっては特に影響はなく、ぼくはぼくのペースでとにかく前を向いて走り続けた。
 すると十二月の模試では第一志望校A判定をもらうことができた。これは、ぼくにとって最大の自信となった。
 そしてついに第一志望校の入試の日。朝、先生からいただいた手紙を開けて読んだ。そこには「あなたはやるべきことをやってきた」と書いてあった。手紙を読んでいるのに、そばで吉富先生の声が聞こえた気がした。なぜかとてもはればれとした気持ちで受験会場へと向かうことができた。
 結果は「合格」。あの日のくやしさがあったからこそつかめた合格。「負けたくない」その気持ちを持ち続けた結果、自分に負けることなく常に前を向くことができた。
 ぼくにとって家庭学習研究社五日市校で過ごした三年間はかけがえのない宝物であり、これからのぼくにとって大きな自信となるにちがいない。
 最後に、ぼくの受験勉強を支えてくれた家族や先生方に感謝したい。

   
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