子どもに自信を植えつける方法  ~その1~

2010 年 6 月 24 日

 先日は、日本の子どもが自分に自信をもてないでいるという、調査結果についてお伝えしました。またその原因に、「親の期待過剰があるのではないか」という専門家の指摘があることをお伝えしました。

 そこで、今回は子どもに自信を植えつけ、何ごとにも主体性や積極性のある人間に育てるための方法について考えてみたいと思います。

1.子どもに期待を差し出すことの意味と重要性を再認識する

 大学で学習意欲を専門に研究している学者によると、子どもの意欲を引き出す要素としていちばん大きいのは、「親の期待に応えよう」という気持ちだそうです。これは、小学校中学年から中学2年生ころまでに見られる傾向であり、思春期になり精神的に親離れしてしまうと様相は変わっていきます。親の影響力は薄れ、自己目標の達成という動機が学ぶ意欲のいちばんの支えになるのです。

 このことから言えるのは、「小学生までは、子どもの学習意欲を高めるのも失わせるのも親次第だ」ということです。それは、「子どもに自信をもたせられるか、自信を失わせるかも親次第だ」ということにもつながるでしょう。

 ですから、子どもへの期待を差し出すのは親の重要な役割です。問題は、「何をわが子に期待するか」であり、「期待のさじ加減をどうするか」ではないでしょうか。子どもが努力すれば成し遂げられるような、ちょうどよい期待をわが子に差し出しておられるでしょうか。もしも期待が適切であれば、お子さんは意欲や自信を失うことなくがんばれるでしょう。親の期待に応えられたなら、自分に対する自信を深めることにもなります。

 もともと、子どもは親の期待に応えようとし、様々な努力を繰り返すことで成長していくものなのですね。親に必要なのは、そういうプロセスの重要性を認識し、子どもにとってちょうどよい期待とは何か、どれぐらいのレベルのものであるべきかを考えることであろうと思います。

親が期待すべきは「成績」? それとも子ども自身の「努力」? 以上は、当たり前の理屈です。しかし、現実はどうでしょうか。子どもが自分の期待に応えようと努力してくれない。そこで子どもへの不満を募らせ、つい叱ったり命令したり、コントロールしようとしたりします。しかし、それが子どもの意欲の減退、親への反発、自信の喪失につながっているのです。今一度現状を振り返り、親が差し出すべき期待とは何かを考えてみてはどうでしょうか。

2.子どもに“自己決定”の機会を多く与える

 何でも親に頼っていたわが子が、あるとき「自分でやる!」と自己主張をするようになり、ハッとなった経験はどなたにもあると思います。子どもは成長とともに、「自分でやりたい!」という欲求をもつようになり、そこでの体験を通して自分への自信を高め、自立していくのでしょう。

 ところが、親はそういう子どもの自立に向けた変化の時期を見逃したり、逆に子どもの自立を妨げたりすることがあるものです。「自分でやる!」と言い張るのでやらせてみると、全然できない。それが現実かもしれません。さりとて、「まだまだ無理ね」と言って親が手助けしていると、子どもはいつまで経っても自立した人間になれないし、自分に対する自信も得られません。

 子どもに必要なのは成功体験の積み重ねです。過大な期待が子どもの自信を奪ってしまうのと同様に、子どもに自分でものごとを決めチャレンジしていく機会を与えないことも、日本の子どもが自信をもてないでいることの主要な原因になっているのではないでしょうか。

 外国などでは、子どもに関する大事な決めごとについて、「親が子どもに相談する」という形をとることが多いと言います。親の考えはすでに用意されているのですが、それを押しつけるのではなく、子ども自身が決めたように導いていくというわけです。子どもが「自分で決めたことだ」と思ったなら、それだけやる気も高まりますし、実行力も向上します。そうやって、子どもに自信をもたせるのです。

 日本の親は、ついつい子どもが考える前に先回りし、親の指示で動かしてしまう傾向が強いと言われます。おたくではいかがでしょうか。子どもに相談し、子どもに考えさせ、子どもに決めさせる。それは、親にはまどろっこしいことです。しかし、そこから子どもの自立が始まり、すばらしい成長への歩みが始まるのではないでしょうか。


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